リカルド、レッドブルF1育成時代を振り返る「マルコ博士からの電話は、常に喜べるものではなかった」
2019年6月3日
ルノーのダニエル・リカルドは、レッドブルのジュニアドライバーだった時代を振り返り、モータースポーツアドバイザーのヘルムート・マルコからの電話について、常に嬉しいものではなかったと明かした。
リカルドは今年、10年以上在籍したレッドブル・ファミリーに別れを告げ、ルノーに移籍して新しいキャリアに進んだ。
最近になって、リカルドは元F1王者ニコ・ロズベルグの最新のポッドキャスト『Beyond Victory』において、レッドブルのジュニアドライバープログラムに参加していた過去の時代を振り返った。そこで彼は、若手ドライバーの運命を左右する、恐ろしくて油断のならないマルコとの関係性について語った。
「彼は常に、とても情熱的だった」とリカルドは語った。
「非常に気遣いをする人で、それだからこそとても厳しく、断固たる人だった」
「電話で彼との会話を終えるたびに、自分がどの立ち位置にいるのか、彼が何を期待しているのかということが分かった。だから僕が早く成長することができたのは確かだ。その点で彼のことをとても尊敬している」
「彼の名前が電話に表示されるのは、いつもうれしいわけではない。『本当にこの電話に出たいのか?』という感じだ」
「でもその時電話に出なくても、後で話をしなければならないだけだ。時にはただ傾聴してうなずき、何も言わずにいなければならなかった」
それこそが、内気なリカルドがまさに2010年にしていたことだ。当時、彼はマウンテンバイクの事故で負った怪我のせいでフォーミュラ・ルノー3.5のテストを欠席し、レッドブルからの支援を失う危機にあった。
「テストの2週間くらい前、そのときはたった2回のテストに制限されていたんだけれど、僕はマウンテンバイクで転倒して手首を骨折してしまった」とリカルドは振り返った。
「初回のテストができないことは分かっていた。手をほとんど動かすことができなかったんだ。でもスペインのヘレスに飛んで、少なくともテストをやろうとしているところを見せようとした」
「アウトラップを走行して、まっすぐピットに戻った。そして『ごめん、僕にはできない』と言った。そうしたら僕の電話が鳴ったんだ」
「ヘルムートからの電話だった。『何が起きたんだ?』と聞かれて、僕は『本当にやってみようと思ったけれどできなかった。ごめんなさい。でも手首を治して最初のレースには間に合うようにするから、心配しないでください』と答えたよ」
予想通りマルコは、リカルドの不注意に感心していなかったという。
「まずいことになったと分かった。長い沈黙のあとで、彼の次の言葉は『君はばかだな』だった。そして彼は電話を切った」
「次のマニクールでのテストには参加した。たしかそれから10日後くらいのことだったけれど、すべてのヘアピンを覚えているよ。手首を十分に回転できなかったから、ほとんど片手で走行していたようなものだった」
「でも最初のレースでポールポジションを獲ったから、問題なかったよ」
この記事は f1i.com 提供の情報をもとに作成しています
(autosport web)
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