最新記事
- ブレンボ、F1やMotoGP、WRCなど2024年は69の...
- フェラーリ、サインツのために前例のない送別...
- メルセデスを離れるハミルトンがフェアウェル...
- 【F1第24戦無線レビュー(2)】チームに26年...
- FIA会長が新たな口撃。常任スチュワードを望...
- 【角田裕毅を海外F1ライターが斬る】ふたりの...
- フェルスタッペン、ルワンダで草の根レベルの...
- 【F1第24戦無線レビュー(1)】ピアストリが...
- 11番目のF1チーム、社名から正式にアンドレッ...
- キャデラックF1は経験あるドライバーとアメリ...
- 角田裕毅が明かすヨーロッパ生活。顔パスで「...
- 【動画】2024年FIA授賞式:26年ぶり王座のマ...
リカバー能力を見せつけたハミルトンと、開幕3連勝を飾ったメルセデスの勝ちパターン【今宮純のF1中国GP分析】
2019年4月16日
記念すべきF1の1000レース目となった第3戦中国GP。このレースを制したのは、中国GPで圧倒的な強さを誇るメルセデスのルイス・ハミルトンだった。彼が不利な状況からリカバー能力を発揮した今回のレースを、F1ジャーナリストの今宮純氏が振り返る。
──────────
節目(マイルストーン)に強いハミルトン、900戦目・2014年バーレーンGPにつづき1000戦目の中国GPも勝ちとった。現在75勝、今シーズン中にも<ミハエル・シューマッハー91勝>に急接近か――そう思わせる強さ。
上海入りしてから周囲の『ドライバーズ・チャンピオンシップ1000戦』祝賀ムードに、彼は冷ややかだった。「僕はいつものレースと同じようにやるだけさ」とコメント。御愛想など言わない。
どうしたハミルトン(?)。金曜FP2、トップのバルテリ・ボッタスに0.707秒も遅れる4番手だ。上海で6度PPを獲っている彼のブレーキングに切れ味はなく、リズムも欠いていた。一方カーバランスに満足するボッタスが高速コーナー区間のセクター2で最速タイム。長いバックストレート入口の13コーナーもスムーズに加速。「直線ではフェラーリに劣る」と首脳陣も認めていたが、そのセクター3でベッテルに0.005秒差だ。
このボッタスの速さに王者は刺激された。以前、チームメイトのニコ・ロズベルグに先行されると激しくプッシュし、かえって空回りすることがあった。土曜FP3はそれに近かった。強風下にアグレッシブな“突っ込み”ブレーキング、6コーナーでコースオフ、最終コーナーでもワイドに。その結果は4番手、トップのボッタスから0.858秒遅れというさらなる大差だ。後塵を拝する王者、この苦戦を打開できるのか――。
ボッタスとのギャップを予選Q1で0.457秒差まで縮めた。そしてQ2ではミディアムで何かを確認するかのようにアタックを重ね、0.091秒まさりトップに。ソフトでは苦しんでいたがこのミディアムでまとめ上げる。
FP3から予選の間に彼がどうセッティングを変えたのかは分からない(語っていないからだ)。Q1でその感触をつかむと、Q2でさらに確認しながらようやくボッタスに追いつく。
ふたりの対決にしぼられたQ3、0.023秒ボッタスが上回り7度目のPP獲得。しかし3セクターともハミルトンがすべてトップ、つなげば<1分31秒177>。ボッタスのPPラップ1分31秒547をはるかに超える。ハミルトンは予選中に各セクターでリミットを把握、金曜から出遅れた分を完全に取り戻した。この“リカバー能力”がいまのハミルトンの強さ、ドライビングを自己修正していったと明かしている。
「ボッタスはいい仕事をした」とインタビューでほめる王者のゆとり。PPとはいえ0.023秒の微差など無いに等しい。追い上げられたボッタスはほめ言葉にもプレッシャーを感じたことだろう。
今シーズンは2戦ともポールシッターがスタートで出遅れている。予選のタイム差は超微細、レスポンス次第でグリッド間隔8メートルのアドバンテージは瞬時に消える。だからプレッシャーが強まる。心拍数も上がる。
ボッタス、ホイールスピン。すると右側のハミルトンは牽制ラインをとらず、まっすぐ加速。1コーナーへのドラッグ・レースを獲った。後にボッタスは「グリッド前に白線があってそこで滑った……」とこぼした。それは分からないではないが、スタート/フィニッシュ・ライン(白線)は彼だけでなく、皆が踏み通過していくライン。避けることなんてできない。
メルセデスW10はフロント・ダウンフォースがフェラーリより安定して強い特性がある。ハミルトンの背後になってしまったボッタスは後方乱流を浴び、その特性を活かせず接近できない。21周目、先にハードに交換して1秒台間隔に接近したもののタイヤがスライド、追従するしかなかった。36周目、チームはふたりをダブル・ピットストップさせ、事実上『このままで行くこと』にした。スマートなメルセデスの戦略、なかなかフェラーリはこれができない……。
ボッタス優勢で始まりそれを自覚し、リカバー能力を発揮したハミルトンが締めくくった中国GP。メルセデスは開幕3連勝を達成し、996戦目から数えるとこれで5連勝だ。その勝ちパターンが毎戦違うところに、いまの強さを認識せざるを得ない。
(Jun Imamiya)
関連ニュース
12/6(金) | フリー走行1回目 | 結果 / レポート |
フリー走行2回目 | 結果 / レポート | |
12/7(土) | フリー走行3回目 | 結果 / レポート |
予選 | 結果 / レポート | |
12/8(日) | 決勝 | 結果 / レポート |
1位 | マックス・フェルスタッペン | 437 |
2位 | ランド・ノリス | 374 |
3位 | シャルル・ルクレール | 356 |
4位 | オスカー・ピアストリ | 292 |
5位 | カルロス・サインツ | 290 |
6位 | ジョージ・ラッセル | 245 |
7位 | ルイス・ハミルトン | 223 |
8位 | セルジオ・ペレス | 152 |
9位 | フェルナンド・アロンソ | 70 |
10位 | ピエール・ガスリー | 42 |
1位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 666 |
2位 | スクーデリア・フェラーリ | 652 |
3位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 589 |
4位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 468 |
5位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 94 |
6位 | BWTアルピーヌF1チーム | 65 |
7位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 58 |
8位 | ビザ・キャッシュアップRB F1チーム | 46 |
9位 | ウイリアムズ・レーシング | 17 |
10位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 4 |
第19戦 | アメリカGP | 10/20 |
第20戦 | メキシコシティGP | 10/27 |
第21戦 | サンパウロGP | 11/3 |
第22戦 | ラスベガスGP | 11/23 |
第23戦 | カタールGP | 12/1 |