F1世界選手権シリーズは、今シーズン初のヨーロッパ戦となる第4戦サンマリノGPを迎える。前戦のブラジルGPでは、健闘もむなしく結果を残せなかったが、サンマリノGPでは、“トヨタTF103”の信頼性と競争力を発揮すべく、2台完走を目指す。
サンマリノGPに先駆け、レースドライバーのオリビエ・パニスとクリスチアーノ・ダ・マッタの両名に加え、リザーブドライバーのリカルド・ゾンタは、先週、南仏のポール・リカールでテストを行った。あいにくの悪天候に見舞われながらも、ミシュランのタイヤ評価、ブレーキ、サスペンションと電気系のテストプログラムをこなし、“トヨタTF103”の熟成をはかった。また、チームは、2月に、このイモラ・サーキットで3日間のテストを行い今週末のレースに備えている。
開幕3戦の遠征戦を終え、このサンマリノGPからヨーロッパ戦が始まる。このイモラ・サーキットでは、1980年にイタリアGPとして初めてF1が開催され、1981年からは、サンマリノGPと名称が変更され、今年で23回目の開催となる。1周4.933kmのコースは、前戦ブラジルGPが行われたインテルラゴス・サーキット同様、左回りでとても路面がバンピー。さらに、縁石がドライバーを悩まし、ブレーキにも負担がかかる。うまく縁石を乗り越えられるようにセットアップすることが、ラップタイムに影響する。
オベ・アンダーソンは、「いよいよヨーロッパ戦に突入した。開幕からの3戦では、ポイントを獲得する機会を逃したことは明白だ。“トヨタTF103”は、常に高いパフォーマンスを見せながらも結果が伴っていない。とくにブラジルGPが顕著で、土曜日朝のフリープラクティスでトップタイムを記録していながら、予選では、15位と18位に低迷した。我々は、このギャップを究明せねばならない。サンマリノGPの最大の目標は、10位以内で予選を通過し、2台完走することだ」と語った。
オリビエ・パニスは、「残念な結果となった海外での3戦を終え、いよいよヨーロッパ戦に戻ってきた。私は、初めてこのサンマリノGPに参戦した1994年に起った悲劇的な事故の記憶が残っているため、イモラ・サーキットに好感は持てないが、イタリアのファンは、とても熱狂的で特別な雰囲気を醸し出す。
このサーキットでは、ブレーキがとても重要で、シケインが多いため、減速したときにクルマが安定するようにセットアップを施さなくてはならない。また、縁石も重要な要素のひとつで、タイムを縮めるためには、縁石をうまく乗り越えなくてはならない。パナソニック・トヨタ・レーシングは、多くの努力を積み重ねているので、今週末のレースでは、上位で完走できると確信している」と語った。