今週末、イタリア、イモラにてサンマリノGPが開催され、F1ヨーロッパラウンドがいよいよ幕を開ける。昨年は追い抜きの少ない淡々としたレースだったが、今年は新システム導入により開幕3戦同様の白熱の展開が期待される。
ブラジルからイモラへの移動は毎年かなり厳しいものがあり、わずか1週間のうちに車のカラーリングが剥がされ、再塗装され、組み直されてイタリアに輸送される。しかし今年のBARは、貨物便の遅れから通常の半分も準備時間がなく、英ブラックレーの管理センターはこの2〜3日、狂乱の騒ぎだという。
アウトドローモ・エンツォ・エ・ディノ・フェラーリでのここ4シーズンのBARは幸運不運が混在し、1999年はポイントを逃したが、2000年にはジャック・ビルヌーブが5位に入った。この2年間はトップ6入りを叶えられていないため、今年は両ドライバーのポイント圏入りが目標となる。
「イモラは好きな方ではないが、ここでは大体いい方向にいくし、今年は競争力が十分あるからね」とビルヌーブ。「ここのレースは実際、シーズン中で一番競争力を発揮するレースになることが多い。イモラでの冬季テストもとても良く、1ラップだけでも長距離の走行でも好タイムが出た。シーズン序盤ということもあり、最も期待できるレースといえる。うまいこと表彰台に上がれたらいいね。全チームと一緒にテストをしたわけではないから、とにかくやってみないことには分からない」
イモラの最たる特徴のひとつに縁石の設計があり、ビルヌーブはこれを賞賛しているが、コースレイアウトそのものはあまり好きではないという。オーバーテイクがきわめて難しいからだ。
「縁石の設計が他のトラックと全然違う。他のサーキットもまねをすればいいよ。すごくよくできてるからね。本当にいろいろな種類のコーナーがあってシケインもいくつかある。中高速のコーナーではブレーキングしながらコーナリングする。だが、レースには最高のトラックとは言えない。渋滞の列の後ろについてしまったら抜き所が本当にないからだ」
今季からのチームメイト、ジェンソン・バトンは、イモラの良さにイタリアのファンの熱狂ぶりを挙げ、チャレンジングなコーナーを持つサーキットへのアタックを心待ちにする。また、ホンダエンジンの最新スペックを使えるのも楽しみだと語る。
「イモラにはぞくぞくするような不思議な雰囲気があって、おかげで毎年レースを楽しめる」とバトン。「サーキットそのものは非常にチャレンジングだ。コースは狭く滑りやすくて難コーナーもいくつかある。高速で下る左コーナーのピラテラと、バリアンテアルタは本当にすごい。トラックは反時計回りだが、訓練にはもってこいのブラジルGPを終えたばかりだからね! 縁石も難しい点で、なんとか乗り越えなければならず、直感的に対処できるものではないが、縁石に対する自信は徐々に増していくよ」
「去年のイモラはいい結果を出せたから、今年もうまくいくといいね。このレースのために最新エンジンを用意し、信頼性も高いから、十分やりあえると思う。天候で状況が掻き回されるチャンスは常にあるが、それは先のレースを見ての通り! 楽しみだよ、きっといい週末になる」