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【レースの焦点】冴え渡るレース勘と見事なタイヤ管理能力、使命を果たしたガスリーが歓喜の6位入賞!

2018年8月1日

「P6」というエンジニアからの無線に、ピエール・ガスリーは何度も「Yesss!!!」と繰り返した。「おめでとう、みんな!」「本当にハッピーだよ!」と、喜びを抑え切れない声は、2016年にGP2で優勝した時の初々しさのまま。そんなドライバーに、エンジニアは「素晴らしいレースだった」とイタリア語で最上級の賛辞を送った。

 夏休み前のハンガロリンクは、いつもと少し違う意味を持つ──。ここで力を発揮できれば、短いオフを清々しい気持ちで過ごすことができる。それはドライバー自身だけでなく、チームにとっても同じ。とりわけ、6週間で5戦というハードスケジュールを戦ってきた今年は、チームのみんなが久しぶりの時間を家族と過ごす時、笑顔でいられることが本当に大切なのだ。

 苛酷なコンディションのなか、ガスリーは集中力を途切れさせることなく70周のレースをミスなく走り切った。トロロッソという小さなチームには数回しか訪れない大きなチャンスを、宝石のように大切にゴールまで運んだ。チェッカーフラッグを受けた瞬間、彼の胸にはチームの全員と、彼らを支える家族や友人の、無数の笑顔が浮かんだに違いない。使命を果たした──安堵と喜びのなかで、もう一度「Yesss!!!」と叫んだ。

 13年にはフォーミュラ・ルノー2.0で勝利を飾ったコース。14年にはフォーミュラ・ルノー3.5で2位。15年にはGP2で2位、16年にはGP2で優勝。間違いなく、ハンガロリンクはガスリーにとって“お気に入り”のコースだ。

「ストレートがほとんどなく、すごくテクニカルで、コーナーから次のコーナーへと流れるようなリズムをつかむことが重要なコースだから。低速コーナーから中速、高速、長いコーナー、ヘビーブレーキング……あらゆる要素が詰まったコースで、ドライバーは力の差を発揮できると思う。オーバーテイクが難しいだけに、予選はいつも以上に大切だ」

 モナコと同様に、ひとつのコーナーの出口が次のコーナーの入り口となる。鈴鹿のセクター1にも似て、小さなミスで1ラップが台無しになってしまう。

Toro Rosso

「だから、F1で走るとどんな感じなのか知りたくてたまらない」

 そんなドライバーに至福の感覚をもたらす意味で、金曜日のフリー走行からバランスの取れたマシン、ドライバビリティに優れたパワーユニットは大きな役割を果たした。待ち焦がれたハンガロリンクF1、ガスリーの感想は「めっちゃ速い」だった。

 第一の鍵となったのはもちろん、セミウエット/ドライ→インターミディエイト→フルウエットと目まぐるしくコンディションが変化した予選。もともとパワーによるハンデの小さなコースで雨をしっかり味方につけ、6位という殊勲のポジションを獲得した。

 さらに大きな鍵となったのは、トップグループと一緒にスタートする1周目の──正確にはターン3までの──ポジションがレース結果に直結することをガスリーが熟知し、賢明なラインを選んだこと。偶数グリッドからの出足は優れたものではなく、ターン1の入り口では左後方から並んできたマックス・フェルスタッペンに慎重に道を譲りつつ、即座にレッドブルの真後ろにつけた。5番グリッドから好発進したカルロス・サインツJr.はアウト側にしか行き場がなくなり、フェルスタッペン、ガスリーに先行を許したものの、ターン2に向けてはポジションを取り戻そうとガスリーの左に動いた。この時一瞬、レッドブルより右=アウト側のラインを選んだガスリーはインを開けたように見えたが、大きなRを取ることによって速いボトムスピードを維持。即座にフェルスタッペンの真後ろに戻り、サインツJr.に隙を与えなかった。



レース

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7位アンドレア・キミ・アントネッリ48
8位アレクサンダー・アルボン42
9位アイザック・ハジャー21
10位エステバン・オコン20

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4位オラクル・レッドブル・レーシング144
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6位ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズF1チーム28
7位マネーグラム・ハースF1チーム26
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9位アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム16
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