F1世界選手権シリーズ第3戦 “第32回ブラジルGP”は、アウトドローモ・ホセ・カルロス・パーチェ(インテルラゴス)サーキットで開催される。このレースは、パナソニック・トヨタ・レーシング、2人のドライバーにとって、意義深いものとなる。ブラジル人のクリスチアーノ・ダ・マッタにとっては、初の母国でのF1グランプリとなる一方、今年が9回目の出場となるオリビエ・パニスにとっては、1994年にF1デビューを果たしたサーキットである。チームは、再び、“トヨタTF103”の真のスピードを発揮することが目標であるが、ポイント獲得圏内で今シーズン初の2台完走を目指す。
チーム・レビュー:
パナソニック・トヨタ・レーシングは、ブラジルGPに向けての準備作業と、シリーズ開幕の2戦で発生した燃圧系トラブル克服のために、オリビエ・パニスとクリスチアーノ・ダ・マッタが、バルセロナ近郊のカタルニア・サーキットで4日間、リカルド・ゾンタが南仏のポール・リカール・サーキットで3日間のテストを行った。この有意義なテストで、チームは、既にトラブルを克服し、ブラジルGPでは、信頼性を取り戻せるものと確信している。
ブラジルGPを開催して今年で23回目となる1周4.309kmのインテルラゴス・サーキットは、モナコとインディアナポリスに次いで、今年F1が開催されるGPコースで1周の距離が3番目に短く、通常のサーキットと異なり左回りとなる。路面は、特にバンピーで滑りやすく、長いストレートに高速と低速のコーナーが相互に連結している。高いダウンフォースは必要としないが、サーキットの上りのセクションでは、エンジンパワーが重要になる。
オベ・アンダーソンは、「オーストラリアGPとマレーシアGPでは、“トヨタTF103”の高いポテンシャルを見せることが出来たと思う。ブラジルGPでは、今季初のポイントを獲得出来ると確信している。我々を苦しめた燃圧系のトラブルは、正確な解析作業を経て、原因究明されたことは確かで、ブラジルGPでは、より良い結果へと臨む。今年初めて、クリスチアーノ・ダ・マッタが熟知しているサーキットであり、彼のホーム・グランプリだ。ブラジルのファンの前で見せる彼の活躍に期待している」と語った。
オリビエ・パニスは、「このサーキットは、非常に気に入っている。抜きどころが多く、毎年、おもしろいレースになる。コーナーの出口で前のクルマに離れずについて行ければ、追い越しが出来るので、最終ヘアピン・コーナー出口でのクルマのバランスが重要になる。このセットアップが、私が最も気をつけていることのひとつだ。1994年にこのサーキットでF1にデビューして以来、数年、良い成績を収めている。2週間前のマレーシアGPでは、良い結果を残すことが出来なかったが、今回は、ポイントを獲得できると思う」と語った。
クリスチアーノ・ダ・マッタは、「バルセロナでの2日間のテストのあと、ブラジルに直行した。約3ヶ月ぶりの帰郷となり、家族にも会えたし、もちろんサーキットにも応援に来てくれる。1999年と2000年の2年間、ブラジルでCARTレースを戦ったが、地元のファンの前でレースをするのは、いつも特別な感覚だ。たぶん今年は、初めてF1でのレースなので、格別だろう。今シーズン初めて、自分が走ったことのあるサーキットでレースが出来る。地元の利を生かして、全力で戦う。レースに向けて、具体的な目標は立てたくないが、チーム、ブラジルのファン、そして家族のためにも全力を尽くす」と語った。