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【小松礼雄のF1本音コラム】言い訳のしようがないグロージャンのミス……。

2018年5月11日

 現役日本人F1エンジニアとして、ハースF1でチーフを務める小松礼雄エンジニア。F1速報サイトで好評連載中のコラム、今回はF1第4戦アゼルバイジャンGPをふり返り。現在のF1で起きている真相と、現場エンジニアの本音を読者のみなさまにお届けします。

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 残念ながら結果には結びつかなかったアゼルバイジャンGPですが、ミディアムダウンフォース・パッケージの手応えは良かったです。昨年はミディアムダウンフォース・パッケージがなく、クーリング性能も悪くて大苦戦のグランプリとなりましたが、今季は空力もちゃんと機能していたし、クーリングも問題ありませんでした。

 アゼルバイジャンの路面はグリップが低く、90度の低速コーナーばかりでタイヤの扱い方がすごく難しいサーキットなのですが、それに関してもうまく対応できたと考えています。チームの成長をすごく感じられた一戦だっただけに、ドライバーがふたりとも能力を発揮できなかったのは悔やまれますね。

 金曜日はそれほど風は強くなかったのですが、予想どおりFP3から予選に向けてどんどん強くなっていきました。ただ単に強いだけではなく、突風が吹いてくるので、コーナーによっては突然クルマのバランスが変わるのでなかなか難しいコンディションでした。

 ですので、特に一発目から限界でアタックする可能性の高いロマンには予選前のミーティング以前に会いにいって、「Q1の1回目は風やコース状況を見るための様子見のランだからマージンをとって走るように」ということをしっかりと伝えていました。

 僕らのマシンには速さがあるので、Q1は余裕で通過できるから、先ず大切なのは風の状況を見て、マシンバランスがどれだけ違うのかを見極めること。それと同じ位重要なのは、タイヤ温度を上げてきっちり予定どおりの使い方をすること。

 実際に起こったことから見ると、冗談みたいな話ですけど、「絶対にやってはいけないのはフロントをロックアップしてコースオフしたり、アタックを中断しなくてはいけない状況になること」だと伝えていました。

 難しいタイヤになればなるほど、タイヤのおいしいところでちゃんとした温度になっていることが重要なので、1周目にどの温度で走り、次の周でクールダウンして、3周目にどの温度で走るといったことが重要になるわけです。それがズレてしまうと、タイヤのパフォーマンスをうまく発揮できないです。

 ロマンは1周目から速いタイムを出そうとして突っ込んでしまう時があるので、事前にしっかり伝えたつもりだったのですが、それにも関わらず3つ目のコーナーで一番やってはいけないミスを犯してしまったというわけです。正直、信じられなかったですね。

 ロマンいわく「ターン1、2をまわってマシンの感触が良かったから、ターン3でハードブレーキングをした」と。ただ、ターン3はものすごい追い風なんですよ。だからこそ、風を受けてのマシンバランスを確かめるためのランだと伝えておいたのに……

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