3月23日(日)
晴れ・気温33℃
シーズン2戦目のマレーシアGP決勝レースで、Lucky Strike B・A・R Hondaのジェンソン・バトンが7位入賞。待望の初ポイントを獲得した。ジャック・ビルヌーブは、スタート直前にトラブルが発生し、出走出来ずリタイアとなった。
決勝日の朝は前日同様に快晴。気温もすぐに35℃前後まで上昇した。ところが午後になるとサーキット上空は雲に覆われ始め、路面温度は10℃以上も下がってしまう。レースが始まる午後3時頃には天候は持ち直したものの、この時点では途中に雨が降ってくることも十分に考えられた。
通常のGPより1時間遅い午後3時からフォーメーションラップが始まった。ところがビルヌーブのマシンは、グリッド上で車体制御系にトラブルが発生しスタート出来ず、そのままリタイアになってしまった。
スタート直後も波乱が続き、2コーナーでM.シューマッハ(フェラーリ)、J.トゥルーリ(ルノー)らが多重クラッシュ。グリッド9番手のバトンは、その混乱を上手くくぐり抜け、5番手にジャンプアップした。その後3周目には2位を走っていたD.クルサード(マクラーレン)がリタイアし4位に上がったものの、次の周にR.バリチェロ(フェラーリ)に抜かれて再び5番手に。
序盤10周を終えた時点で、バトンは6番手。前を行くO.パニス(トヨタ)との差をジリジリと詰めている。そして13周目、パニスがピットイン。次の周には4位を走っていたN.ハイドフェルド(ザウバー)もピットに向かい、バトンは再び4位に。さらにトップのF.アロンソ(ルノー)もピットインしたため、ついに表彰台圏内の3位に上がった。しかし直後の19周目にバトン自身もピットインした結果、5番手まで下がった。
レースの折り返し地点である28周目。バトンは依然5番手。しかし背後からフロントローからスタートしたトゥルーリが激しく迫る。しかしバトンは数周にわたってそれをしのぎ、逆に前を行くR.シューマッハ(ウィリアムズ)との差を縮めていった。
33周目。背後のトゥルーリとの差は、僅かコンマ3秒。しかし6秒以上あったR.シューマッハとの差も、2秒まで縮まった。その後バトンは35周目に2回目のピットに入り、6番手に下がったものの、すぐに5番手のポジションを回復。
レース終盤は再び、トゥルーリとのバトルとなった。バトンとの差はコンマ5秒前後。僅かなミスで、あっという間に順位は逆転してしまう。しかしバトンはその猛攻をしのぎ、トゥルーリは51周目の最終コーナーで自らスピン。これでバトンの5位入賞がほぼ確定したかに思われたが、最終周にタイヤの劣化によるオーバーステアでスローダウンした隙にトゥルーリとM.シューマッハに抜かれ、7位となった。
それでもバトンはB・A・R Honda移籍後2戦目にして、チームに2ポイントをもたらした。
優勝はK.ライコネン(マクラーレン)。デビュー以来36戦目の初勝利だった。
中本修平
エンジニアリング・ディレクター
Honda Racing Development
「う〜ん、残念!と言うところでしょうか。バトンは、この高温の中、最後まで本当に良く頑張ってくれたと思います。我々にとっての初ポイントを獲得する事が出来て良かったですね。今日のレースペースを見ても、これからの自信になりました。毎年の事ですが、エンジンにとって非常に過酷なレースでしたが、最後まで走りきる事が出来て良かったです。ビルヌーブにとっては残念な一日となってしまいました。次のブラジルでは、更に頑張ります。」