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トロロッソ・ホンダF1密着:初日はトラブル発生もポテンシャルの進歩にチームの雰囲気は上々

2018年3月7日

 第1回バルセロナ合同テストからここまで順調にテストを重ねてきたトロロッソ・ホンダだが、テスト5日目にして初めてトラブルらしいトラブルが降りかかった。午後を丸々失うという事態に直面したが、それでもチームに悲観的な雰囲気はない。


 午前中はいつものようにコースインを繰り返し、ソフトタイヤを中心にセミロングランでスムーズに周回を重ねていった。午後1時のランチブレイクまでに53周。そして午後2時27分にコースへ戻ったところでブレーキシステムに不具合が見つかった。

ガレージ内の作業を隙間から撮影

 ガレージ内では前後サスペンション周りが分解され、深刻なトラブルではないが調査と修復作業に時間を要するため、チームはここでシートチェンジも同時に行なって残り時間を前回のテストで充分に走れていないブレンドン・ハートリーに譲ることを決めた。だが修復作業は午後6時のチェッカードフラッグまでに間に合わずトロロッソ・ホンダは54周という少ない周回数でテスト2回目の初日を終えることになった。 


 それでもセッション後のガスリーの表情は明るかった。それはマシンフィーリングの向上に手応えがあったからだ。

ピエール・ガスリー(トロロッソ・ホンダ)

「マシンのバランスにはとても満足しているし、先週と比べてもポテンシャルは間違いなく進歩していると思う。チームがデータを徹底的に見直してセットアップ変更を施してくれたんだ。全てポジティブだよ。ライバルとの比較はまだまだ早すぎるけど、5番手のタイムを記録できたというのは嬉しいね。小さなトラブルで午後は全く走れなくなって大幅に時間を失ってしまいはしたけど、それもテストの一部だからね」


 ちなみにこの日の5番手となる自己ベストタイム1分20秒973は、午前10時35分という早い段階で、ソフトタイヤ8周目の最後に記録されたもの。もちろんまだまだ伸びしろはある。ガスリー自身に聞くと「1分19秒台は可能だと思う。18秒台は難しいかもしれないけど」と答えたが、実際にはもっと柔らかいタイヤを履けばそれも不可能ではなさそうだ。


 ただし不安があるとすれば、まさにその柔らかいタイヤの使い方だ。


「すごく不思議な感じ。まだもっとよく理解しようと努力しているところだよ。去年と比べて柔らかいタイヤは挙動が違うし、使いこなすためにはかなりの作業が必要になると思う」


 どのチームもそうだったが、テスト初日はまだ予選シミュレーションは見られず本来のパフォーマンスは隠されたまま。中団トップの5番手という結果を額面通り受け取って手放しで喜ぶのはまだ早い。
 一方、ホンダのパワーユニットはこの日もトラブルフリーで走行を終えた。


 1回目のテストでは信頼性確立を最優先としたテストユニットが持ち込まれていたが、今週はそのデータを元に『開幕戦を睨んだ仕様』のユニットが持ち込まれ、開幕戦オーストラリアGPに向けた最終確認とセッティングが進められる。


「今日の走行距離は制約を受けてしまいましたが、午前中からレース中の様々な状況を想定したテスト2回目初日に予定していた項目の半分くらいはこなせました。タイム狙いの走行ではなく、レース中の様々な燃料量、ドライバーのプッシュ度合いが98%なのか100%なのかといった状況でパワーユニットがどう違ってくるのかというようなデータ取りとセットアップです」


 残るは予選モードを使ったフルアタック。残りの3日間でチームとしてレース週末全体をシミュレートするようなプログラムをこなし、予選シミュレーションでSTR13のフルポテンシャルを探る。残された時間はそう多くはないが、その中でトロロッソ・ホンダがどのようなパフォーマンスを見せてくれるのか、非常に楽しみだ。



(Mineoki Yoneya)


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