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苦楽を共にしたマクラーレンとホンダ。過渡期となる今年、F1日本GP鈴鹿で上位進出を狙う

2017年9月29日

 日本のF1ファンにとって一大イベントである日本GPが、もうすぐ開催される。しかしその直前、ショッキングな事件が起きた。2015年からパートナーを組んできたマクラーレンとホンダが、今年いっぱいで提携解消することを正式に発表したのだ。すでに何カ月も前から観測記事として報じられていただけに、突然でビックリしたという人はそう多くないと思う。とはいえ衝撃のニュースであることに変わりはない。


 1980〜90年代に圧倒的な強さを誇ったマクラーレン・ホンダ。これまでのF1日本GPを振り返れば、1987年の鈴鹿サーキットでのF1初開催以来、鈴鹿サーキットのF1はホンダと歩みをともにして今年、30年目を迎える。ここで簡単にこれまでの鈴鹿サーキットでのF1日本GPのハイライトを、ホンダの活躍を中心に振り返ってみよう。


1987年:鈴鹿で初のF1日本GP開催。ウイリアムズ・ホンダのネルソン・ピケが3度目となるワールドチャンピオンを決定。この年、ロータス・ホンダからF1デビューを果たした中嶋悟が1コーナーをアウト側からオーバーテイクするパフォーマンスで6位入賞。



1988年 アイルトン・セナ

1988年:アラン・プロストとアイルトン・セナのコンビでマクラーレン・ホンダがシーズンを席巻。PPはセナが獲得し、レースでもスタートの失敗から大逆転で優勝。最終的にこの年のマクラーレン・ホンダは16戦15勝という伝説的なシーズンとなる。


1989年:トップを争うマクラーレン・ホンダのセナとプロストが47周目のシケインで接触し、セナがトップでチェッカーを受けるも、シケイン不通過で失格。遺恨の残るレースに。


1990年:タイトルを争っていたセナとプロストがスタート直後の1コーナーで接触して、両者リタイア。セナの2度目のF1ワールドチャンピオンが鈴鹿サーキットで決定。また、鈴木亜久里がランボルギーニV12エンジンを搭載したラルースで日本人初の3位表彰台を獲得した。


1991年:マクラーレン・ホンダのセナと、ウイリアムズ・ルノーのナイジェル・マンセルのタイトル争いが鈴鹿サーキットで行われ、マンセルはリタイヤとなり、セナの3度目のチャンピオンが決定。また、この年限りで引退を表明していた中嶋悟はマシンのトラブルのため、レース途中でリタイアとなった。ホンダの第2期F1活動は翌92年で一旦終了するが、無限ブランドで2000年までエンジン供給が続いた。

2002年 F1日本GPでは佐藤琢磨が5位入賞

2002年:佐藤琢磨がF1レギュラードライバーとなり、ジョーダン・ホンダからデビュー。鈴鹿サーキットでの日本GPは予選で佐藤琢磨が7番手に入る健闘を見せ、決勝でも自身F1初入賞となる5位フィニッシュ。鈴鹿は大歓声で琢磨を祝福し、優勝したフェラーリのミハエル・シューマッハーに「今回の主役は琢磨」と言わしめた。


2003年:BARホンダのジャック・ビルヌーブが欠場したことにより、リザーブドライバーの佐藤琢磨が日本GPに急きょ参戦。丸1年ぶりの実戦復帰にも関わらず、予選13番手から6位入賞し、またしても鈴鹿サーキットは琢磨への歓声に包まれた。

2008年 ホンダRA108を駆るジェンソン・バトン

2006年:ホンダがBARを運営するBATから株式を取得してフルコンストラクターとして参戦。同時に、鈴木亜久里が立ち上げたF1チーム、スーパーアグリF1にもホンダはエンジンを供給。鈴鹿サーキットでの日本GPはジェンソン・バトンがホンダ勢のトップとなる予選7番手から、決勝は4位入賞。その後、ホンダは2008年いっぱいで第3期のF1活動を終了。

2015年 F1日本GP フェルナンド・アロンソ

2015年:ホンダがマクラーレンとともにF1に復帰。しかし、エンジンからパワーユニット(PU)に変わったF1に苦労し、鈴鹿サーキットでの日本GPもエースのフェルナンド・アロンソが予選14番手、決勝では11位が精一杯の結果となった。


 以上のように、鈴鹿サーキットとホンダには数々の栄光と、そして苦い思い出が混在しているが、それも今となってはよき思い出。今年もF1復帰3年目で、マクラーレンと袂を分かつことになったが、それでも過去2年に比べてマクラーレンのシャシー、MCL32のパフォーマンスとともにホンダのパワーユニットRA617Hの出力は上がっており、入賞圏内を期待したいところ。


 特にホンダPUも最新スペックであるバージョン3.7の投入以降は、戦闘力、信頼性ともにかなりの進化を果たしており、フェルナンド・アロンソ、ストフェル・バンドーンふたり揃っての予選トップ10入りは、十分に可能と見る。となればレースでもし3強のいずれかが消えれば、マクラーレン・ホンダとしては今のところ最後となる鈴鹿で上位入賞を果たすこともできるはずである。


 鈴鹿ではもうひとつ、来季からホンダの新たなパートナーとなるトロロッソの戦いぶりもじっくり見てほしい。トロロッソは前身のミナルディ時代を含めても、表彰台はセバスチャン・ベッテルによる優勝1回のみという、マクラーレンとはチーム規模も実績も比べ物にならない小さなチームである。


 だが、ビッグチームである程度完成された企業であるマクラーレンとは異なり、若くて勢いのある中堅チームのトロロッソは、まだまだ今後の可能性を秘めた魅力的な存在としてもF1界で知られている。


 ホンダはすでに2015年からマクラーレン以外の複数供給の一環として、トロロッソとかなり突っ込んだ話し合いを行っており、さらにいえば、フランツ・トスト代表は、それ以前からホンダとの提携にずっと前向きだった。
 そしてジェームズ・キー率いる技術部門のポテンシャルは、F1界で非常に高く評価されている。これまではおもに絶対的な予算不足で、せっかく素性のいいクルマを製作しても、その後に熟成させる開発資金が厳しく、シーズンが進むにつれて上位チームとのパフォーマンス差は開き、なかなか結果に結びつかなかった。


 そのような経緯を見ても、来季からホンダのワークスチームとなることで、トロロッソは大きく飛躍する可能性が十分にある。美しいブルーとレッド、あの素敵なカラーリングのマシンに来季からHマークが付くことを想像しながら、トロロッソの鈴鹿の走りを観察するのも十分楽しいと思う。
 さらに、マレーシアGPから今季スーパーフォーミュラにTEAM MUGENから参戦していたピエール・ガスリーがダニール・クビアトに代わってF1デビューを果たすことが急きょ、トロロッソより発表された。まだ日本GPの参戦についての発表はないが、もしガスリーが日本GPに参戦することになれば、スーパーフォーミュラ出身のドライバーとして、日本のファンも親近感を持って応援しやすい。マクラーレンのバンドーンとの対決は、日本のファンならではの楽しみとなる。



(AUTOSPORTweb)




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