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F1マレーシア予選、僚友を大きく引き離してハミルトンがPPを獲得。バトンはQ3進出に自画自賛

2016年10月1日

 午後5時、通常よりも3時間も遅いスケジュールでマレーシアGPの予選は始まった。この時間に走行するのは今週末でも初めてのことで、完全新舗装の路面がどのような影響を及ぼすのか、未知数のままの予選だ。


 空には全体的に薄雲がかかり、さほど強い陽射しが照りつけていないため、気温は30度、路面温度も41度とそれほど高くないコンディション。


 Q1では開始直後から各車がソフトタイヤでコースインするが、レッドブル勢とフェラーリ勢だけはミディアムタイヤでアタックに臨んだ。


 ルイス・ハミルトンはコースインの際にスタート練習を行なう余裕を見せる。ハミルトンは「(空が)すごく暗く見える」と無線で報告するが、降水確率は20%でチームも「レーダー上は何もないよ」と伝える。メインストレート上には事前に行なわれたサブカテゴリ―のレースで発生したマシンのエンジンブローで出たオイル処理後が残っているが、ライン上ではないためアタックには大きな影響はない。


 4分経過したところでジェンソン・バトンが最初のアタックでコースオフを喫し「クルマはOKだけど、トラフィックがひどい。ルノーがなぜか退いてくれなかったんだ」と訴える。それでも次のアタックでタイムを記録しQ1通過を決め、パワーユニット交換で計45グリッド交換が決まっているフェルナンド・アロンソはミディアムタイヤでゆっくりと走行しただけで最下位で予選を終えた。


 1回目のランでは1位・2位のメルセデスAMG勢の後ろにはフォースインディア勢が3位・4位で続いたが、ソフトタイヤを履いて2回目のアタックに臨んだフェラーリ勢がこれを上回った。


 僅差のQ2争いとなったが、最後のアタックでハース勢がタイムを伸ばし、アロンソに加えてマノーの2台、ザウバーの2台、そして最終コーナーで大きくロックアップさせてタイム更新ができなかったジョリオン・パーマーがQ1敗退となった。


 1回目のアタックで右ミラーが外れるアクシデントに見舞われたロマン・グロージャンは「こんなこと二度としないでくれ!」と訴えるが、「わざとじゃないよ、しかしP11だ、良かったな」とチーム。ギュンター・シュタイナーは「君を試したんだよ」と冗談にして11位通過にホッと一息をついた。


 Q2は開始直後から全車がソフトタイヤでアタック。1回のアタックでQ2通過確定を狙うメルセデスAMGはハミルトンに「レースセットになる可能性があるタイヤだから気をつけてくれ」というメッセージも忘れない。


 1回目のアタックを終えた時点でメルセデスAMG、レッドブル、フェラーリの順のトップ6となり、7位に入ったフェリペ・マッサには「OK、とても良いラップだった」とエンジニアから無線が飛ぶ。


 残り3分で8位セルジオ・ペレス以下の全車が新品ソフトで2回目のアタックへ。Q3進出争いは7位から5台が0.2秒以内にひしめく極めて僅差だったが、その中で8番手タイムを記録してQ3進出を決めたバトンは上機嫌で「良いラップだっただろ!?」と自ら聞いてエンジニアも「あぁ、良いラップだったよ」と同意。


 フォースインディア勢が9位・10位に入り、最終アタックでミスを犯したバルテリ・ボッタス、ハース勢はQ2敗退。トロロッソ勢もパワー不足に泣かされ、ダニール・クビアトは「みんなゴメン、XXXな予選だった」と悪態をついた。


 Q3の最初のアタックでトップタイムを記録したのは、Q1、Q2に続いてハミルトン。一方ロズベルグはターン6出口でワイドになるなどミスが目立ってハミルトンの0.9秒落ちで5番手に留まった。


 暫定2位のマックス・フェルスタッペンは「セクター2、3で軽い雨が降っている」と報告するが、依然としてレーダー上の雨雲はサーキットから遠く離れている。しかし日は傾き始め、路面温度は38度まで下がってきた。


 ハミルトンは最後のアタックのターン1で右フロントを大きくロックさせてしまうが、ロズベルグは0.4秒落ちのタイムしか記録できず2位を確保するのがやっと。最後まで雨は降らず、レッドブル勢が3位・4位、フェラーリ勢が5位・6位、フォースインディア勢が7位・8位とチームごとにならび、バトンが9位、マッサが10位という最終結果となった。


 ポールポジションを獲得したハミルトンに「素晴らしい仕事だった。このサーキットでの最速タイムだったよ」とパディ・ロウ。


 ハミルトンは「今日のクルマは最高だった。アタックラップを楽しんだよ。最後のミスがなければもっと速いタイムを刻めたはずだった。でも明日は接戦になるだろう」と語った。決勝のスタートはまだ陽射しの強い午後3時。新路面でタイヤがどのようなデグラデーションになるか、レースを左右する未知の要素はまだまだ残されている。



(Text:Mineoki Yoneya)


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