金曜日のフリー走行で幕を空けた中国GPで、ニコ・ロズベルグがウイリアムズのドライバーとして声をかけられたことで大きな注目を浴びている。彼は3人のうちのひとりのドライバーであることは決まったが、レギュラードライバーとなるのか、第3ドライバーとなるのかは、もうひとりのドライバーが誰になるのかで変わってくる。そのドライバーの候補として、佐藤琢磨、アンソニー・デイビッドソン、クリスチャン・アルバースの名が上がっているが、現在の心境をGP2シリーズのチャンピオンとなったばかりのロズベルグが語った。
「今週初め、フランク(ウイリアムズ)に3人のドライバーのひとりになるだろうって言われたんだ」。金曜日にロズベルグはそうロイターに語っている。「だから来シーズン、少なくともテストドライバーにはなるということだけど、できるならレースドライバーがいいね。ま、遅くともこの1、2週間で決まると思うよ。僕と(アントニオ)ピッツォニアともうひとり誰かとの3人が候補になってると思う」。
彼の父親、ケケ・ロズベルグは1982年、ウイリアムズで世界タイトルを獲得しているドライバーだ。母親の出身であるドイツの国旗を付けてドライブしている息子のニコは、ここ数年はシーズン中もシーズンオフの時期も、ウイリアムズ及びBMWとともにテストに参加している。そしてルノーF1のテストドライバー、ヘイキ・コバライネンを退けてGP2シリーズのチャンピオンを獲得したことを受けて、2006年にロズベルグが他チームに移らぬようウイリアムズは彼の確保を急いだ。
「この2年間、他のチームからレースドライバーのオファーがあれば移る可能性はあったよ。それはウイリアムズにとってもいいことになっていただろうと思うよ。だって僕が経験を得て、ウイリアムズに戻りその経験を活かしてレースができるんだからね」と、まだ20歳のロズベルグはそう語る。「でも今は、チームは僕をチーム内に留めることを選んだ。僕はチームとフルに結びつくことができて嬉しいよ。僕はチームに対して大いなる尊敬の念を抱いているし、雰囲気はすごくアットホームだ。だから来年、チームの一部となれることが本当に嬉しいんだ」
ふたつ目のレースシートをめぐって争っている3人目のドライバーが誰なのかは明らかにされていないが、アンソニー・デイビッドソン、佐藤琢磨、そしてクリスチャン・アルバースの名が噂に上がっている。またピッツォニアは、マーク・ウエーバーのパートナーにふさわしいかどうかをアピールする最後のチャンスを目の前にしている。今シーズンはニック・ハイドフェルドにその座を譲っていたピッツォニアは、ハイドフェルドの負傷に伴い数レースに渡って代役を務めてきたが、いまだそのシートを確保できるに十分なアピールは見せていない。
「(ドライバーが)決まったのかどうかはわからない」とロズベルグ。「どうなったのか結果を知りたい。フランクのこともパトリック(ヘッド)のことも実はよくは知らないんだけど、だんだんとチームに馴染んできているよ」
本来ウエーバーのパートナーとなるべきだったジェンソン・バトンだが、バトン自身がウイリアムズに違約金を支払うことで契約を無効とし、セカンドシートがぽっかり空いた。そのシートをロズベルグが埋められないという理由はない。
「準備?100パーセント大丈夫だよ」とロズベルグ。「でもまだレースに出られるかわからないのにその質問はどうだろうね。もちろん僕であるようにと願っているけど。今年はそれに値するパフォーマンスを見せてきたと思ってるんだ。だからチャンスはあるはず」。
ロズベルグはセカンドドライバーの筆頭候補であるだろう。そして来年、レースするチャンスが与えられれば、彼の父親が選手権を取ったシーズンと同じ組み合わせで2006年に臨む事になる。来シーズンはBMWがチームを離れ、当時と同じコスワースのエンジンを搭載することになる