マクラーレンとメルセデスは、今季初めてF1コンストラクターズ選手権をリードして、今週末の日本GPに臨む。日曜日にチェッカーフラッグが振り下ろされた時点で、同タイトルが決定する可能性もある。
ライバルであるルノーとの差はわずか2ポイント。だが、インテルラゴスでファン‐パブロ・モントーヤとキミ・ライコネンがマクラーレンにとって5年ぶりのワンツーフィニッシュを飾ったのを見ても分かるように、同選手権の流れは明らかに彼らの方に傾いている。残りの2レースで獲得できる最大ポイントが36点であることを考えると、ライバルの自滅がなければ今週末にタイトルを決めるのは難しそうだが、マクラーレンの狙いはあくまでもワンツーフィニッシュの再演だ。
2人のドライバーが鈴鹿で1位と2位に入り、ルノー勢が1ポイントしか取れなかった場合、タイトルはロン・デニス率いるマクラーレンの手に渡る。現時点でマクラーレンが2ポイントリードしているため、ルノーがこの週末に選手権奪取を決めることはできないが、ルノーが鈴鹿で2ポイント以上を取れば、勝負は翌週の上海での最終戦に持ち越される。
「今年のドライバーズタイトルの戦いは終わった。今僕たちが目指しているのはコンストラクターズ選手権を勝ち取ることだ」とライコネン。「日本と中国で可能な限り最高の結果を残して、このタイトルを手に入れることに全力を尽くすつもりだし、僕たちのパッケージならそれは十分に達成できると思う。ファン‐パブロと僕はブラジルでいいバトルを繰り広げた。今週末もそれが続くことを期待している」
モントーヤのブラジルでの勝利は、マクラーレンにとって過去12戦での9勝目であり、モントーヤはMP4‐20が日本でも最強のパッケージであり続けると確信している。
「コンストラクターズ選手権を決めるために、僕たちは残り2戦でできる限り多くのポイントを獲得する必要がある」とモントーヤ。「ブラジルでは僕らのクルマは本当に速かった。先日のテストの後、またいくつかの改良が加えられることになっているので、それをコース上で最大限に生かす必要があるね」
鈴鹿はマクラーレンにとってゲンのいいサーキットであり、1998年と99年にはミカ・ハッキネンがここでドライバーズタイトルを決め、98年には同時にコンストラクターズタイトルも獲得している。そしてここは今年の2人のドライバーのお気に入りのコースでもある。
「鈴鹿は素晴らしいサーキットだ。ドライブするのが楽しくて、本当に限界までプッシュできるからね」とライコネン。「昨年のレースを前に130Rコーナーが改修されたが、それでもまだあそこはかなりチャレンジングだ」
「ただ、オーバーテイクがきわめて難しいのは確かだし、タイトなヘアピン、長い高速コーナー、そして長いストレートが組み合わされているので、セットアップではある程度の妥協が求められる。鈴鹿で速いタイムを出すためのカギになるのはS字だが、そこを全開で抜けられるようにするために、主に低速セクションでセットアップが合わない部分をドライバーのウデでカバーする必要がある」
マクラーレンはいくつかの点で鈴鹿に似ているとされるスパのベルギーGPでも好成績を挙げており、メルセデス・モータースポーツのボス、ノルベルト・ハウグは彼の地でのパフォーマンスの再現に自信を示す。
「鈴鹿では各ドライバーとマシンのコンビネーションの長所と短所が明らかになる。こんなコースは他にはない。マクラーレンと共に仕事をしてきた過去10年間において、私たちはこのサーキットでのべ11回のポディウムフィニッシュを達成した。また、チームの全員が最近の5レースのいい流れを維持するべくハードに働いている」