BAR F1チームが予定していた、地上でのスピード記録への挑戦は、悪天候のせいで一時延期となった。
ユタ州北西部に襲来した大雨のせいで、伝説的なボンネビル・ソルトフラットの7マイルコースは2.5センチほども冠水した状態になってしまった。気象情報と天気予報によれば、この地方の翌週の気温では、10月5〜8日に予定される期日までに、水分を蒸発させることはできないだろうとみられている。
チームのボンネビル400プロジェクトの責任者たちは、コンディションを見きわめ、いつ再開が可能かを判断するために、すでに現地に飛んでいる。その結果として、最短で再開できるように、特別なプロジェクトチームが待機している。
「ボンネビルでのひどい悪天候により、ボンネビル・ソルトフラットでBARホンダ007を走らせる計画は延期せざるを得なかった」とスポーティングディレクターのジル・ド・フェランは語った。「チームにとってはもちろん、当面は落胆する出来事だが、自然の路面で車を時速400km超のスピードで走らせようとする試みの性質からいって、そもそも悪天候の影響を受けやすいものだし、私たちはこの起こりうる事態に対して十分に準備をしてきた。観察チームはいったんブラックレーに戻り、記録への挑戦はスケジュールの組み直しになるが、できる限り早くユタ州に戻ってくるつもりだ」
チームの挑戦を支援している、南カリフォルニア・タイミング・アソシエーションのマイク・クックによれば、ユタの天候の犠牲となったのはBARが最初ではないという。
「残念ながら、BARホンダは、この地方の予想不可能な天候の犠牲となった、一番最近のチームに過ぎない」とクックは説明した。「ボンネビルには変わった局地的な気候があり、このあたりの長期的な天候コンディションを正確に予測するのは不可能なのだ」
「自分たちだけではないのだと知れば、チームはいくらか慰められるかもしれない。ここでの地上走行速度の記録への挑戦では、歴史を振り返ると、多くの者たちが天候に邪魔されてきた。それはほとんど、ボンネビルでレコードを樹立する者たちに課せられる、スピリチュアルな通過儀礼のようなもので、チームの気概が試されるのだ」