開幕戦から好調を維持してきたルノーが、モナコGPで辛苦を舐めた。マクラーレンのキミ・ライコネンに余裕の2戦連続優勝を許してしまったのだ。
ルノーはモナコで、フェルナンド・アロンソが4位に入り、5ポイントを獲得したが、レース序盤はアロンソがトップのキミ・ライコネンに次ぐ2位、ジャンカルロ・フィジケラが3位と、さらに上位を走っていた。ピットストップは2人とも1回の予定だったが、これがかえってタイヤに過度の負担を与えることになった。
24周目、クリスチャン・アルバースがスピンを喫してセイフティーカーが導入されると、アロンソとフィジケラは給油を行い予定の1回のピットストップを早々と終える。しかし、これで、重いマシンでフィニッシュまでの長い道のりを走ることになり、2人は必死にポジションの防衛に努めた。
チームのエンジニアたちはレース前、R25はリアタイヤの磨耗が激しいことを示唆していた。アロンソとフィジケラはいつもより固めのタイヤを選んだが、レース中盤からタイヤの影響が出始めた。
フィジケラはピットストップ後、スピードが鈍った。原因は、リアタイヤのグリップ低下がゴールまで続いたためだ。これにより、トラクションとブレーキ時の安定性が低下し、ロウズヘアピンでヤルノ・トゥルーリに強引に抜かれるなど、レース終盤には後続に次々と抜かれ、最終的に12位でフィニッシュした。
「ものすごくがっかりしている。僕の人生で最も大変なレースだったかもしれない。最後の25周ぐらいまで、マシンはちゃんと走らせられない状態だった。リアタイヤは完全に性能を失っており、全力で後ろのマシンを押さえようとしたけど、できなかった」
一方のアロンソは、残り10周までウイリアムズの2人を抑え続けていたが、結局シケインで抜かれてしまった。その後、アロンソはファン−パブロ・モントーヤ、ラルフ・シューマッハー、ルーベンス・バリチェロ、ミハエル・シューマッハーたちと熾烈な争いを展開し4位でフィニッシュ、何とか5ポイントを獲得した。
エンジニアリングディレクターのパット・シモンズは次のようにコメントした。
「今日はドライバーたちにとても難しい仕事をさせることになってしまったが、2人とも本当に頑張ってくれた。リタイアの可能性もかなりあった状況の中で、彼らは完走を果たし、本当に素晴らしい仕事をしてくれた」
「モナコでは、いつもよりハードなタイヤを選択した。リアタイヤの磨耗が激しいことを知っていたからね。残念なことに、磨耗は私たちの予想を超えるものだった。セイフティーカーが導入されたとき、イチかバチか、2台のマシンをピットストップさせた。しかし、このピットストップが今日の敗因ではない。敗因はタイヤにある。他のチームではそうでもないのに、なぜウチのチームではリアタイヤの磨耗が激しいのか、分析しなくてはならない」