ブリティッシュ・レーシング・ドライバーズ・クラブ(BRDC)は、シルバーストンでのイギリスGPを存続させるために、とるべき道はひとつではないと考えている。このレースの将来に関する論争は、予期せぬ方向に発展を見せているのだ。
先週の木曜に、イギリスGPの“救世主”として姿を現したブランド・シナジー・グループが、前向きなことを述べているにもかかわらず、BRDCは別のオファーを検討していることを明らかにした。そのひとつは、ほかならぬバーニー・エクレストンによるオファーだという。エクレストンは、前の週に、イギリスGPのカレンダー脱落を宣告したはずだったのだが。
今年ずっと、イギリスGPを買収したりプロモートしたりするつもりはないと言い続けてきたエクレストンだが、まさにその候補者として浮上してきた。日本GPの週末に、エクレストンは、イギリスをカレンダーに残したいと語り、自分はブランド・シナジー・グループと同様に、それをできる立場にあると表明した。エクレストンからアプローチがあったことは、BRDCも認めている。エクレストンは、レースをプロモートすることをオファーしてきたという。それにより、レースはカレンダーに留まることを保証されるが、その条件としては、レースの開催契約年数と同じと思われる7年間にわたって、シルバーストン・サーキットを無料でエクレストンが使用できるようにする、ということだ。
BRDCのスポークスマンは、次のように語った。「シルバーストンでのイギリスGPを将来も存続させるために、いくつもの代替案を検討中だ。選択肢には、エクレストン氏が過去24時間以内に提案してきた案も含まれている」「私たちは、すべての選択肢を慎重に評価することにしている。シルバーストンでのグランプリを守り、英国のスポーツとモータースポーツ産業の地位を守るため、全関係者と共にたゆまぬ努力を続けるつもりだ」
シルバーストンでのレースを存続させることは、BRDCにとって大きな懸案事項となっている。ブランド・シナジーは、交渉のなりゆきによっては、イベントをドニントン・パークに移すことも検討すると認めているからだ。どちらのサーキットも施設の改修に大きな投資が必要であるとしながらも、ブランド・シナジーは、どちらも同じように開催の可能性があると主張している。エクレストンの提案によって、BRDCは、独自の施設改修案の提出を迫られることになるかもしれない。BRDCは、この改修案が、政府の支援を引き出せることを希望している。