F1イタリアGPは53周の決勝レースが行われ、フェラーリのルーベンス・バリチェロが序盤の遅れを取り戻し優勝。ミハエル・シューマッハーも驚異の追い上げで2位に入り、フェラーリのワンツーフィニッシュとなった。
モンツァの決勝日は朝から曇り。8時半頃から雨が落ち始め、路面をしっとりと濡らす程度だったが、9時頃から大雨になり路面は雨の鏡と化す。上空雲の切れ間はなく、午後2時スタートの決勝がウエットとなる確率が高まった。
しかし、11時過ぎから小雨となり、恒例のドライバーズ・パレードもキャンセルなしに行われた。さらに12時半ごろには雨が止み、決勝直前の13時40分ごろ、雲が切れて陽が差し始める。フォーメイションラップ開始2分前のコンディションは、気温22度、路面温度25度というコンディションとなった。
金曜日の走行で、エンジンの激しいオイル漏れに見舞われマシンを止めたジョーダンのニック・ハイドフェルドはエンジンを交換。そのため、予選では17番手のタイムを記録したものの決勝グリッドは最後尾。結局ハイドフェルドはピットスタートを選択することになる。その他、予選から決勝までにポールのバリチェロは右後輪を交換、佐藤琢磨は4速ギヤとドッグリングを交換している。
スタート直前、路面はほぼ乾いている状態だったが、バリチェロ、デイビッド・クルサード、フェリペ・マッサ、ジャンマリア・ブルーニら4人はスタンダード・ウエットタイヤを選択している。それ以外はドライタイヤ。フォーメーションでドライ組は激しいウィービングでタイヤを温めるが、ウェット組の中からクルサードだけがスタート前にピットイン。ドライに交換している。
18台がグリッド上からスタート! バリチェロが好スタートで、シューマッハーはやや遅れて1コーナーをカット。さらにシューマッハーは加速が鈍り、第2シケインでシューマッハーをはじめパニス、ピッツォニアらがスピン。シューマッハーは一気に14番手前後に順位を落とす。オープニングラップはバリチェロ、フェルナンド・アロンソ、ジェンソン・バトン、キミ・ライコネンの順位で通過した。
バリチェロは2周目、ウェットタイヤの恩恵を活かし一気にアロンソを8.2秒リード。まだウェットの方が速いようで、琢磨もマッサに抜かれている。翌周、第2シケインで3番手のファン−パブロ・モントーヤがミス。バトンが抜いていく。
しかし、ウェットが速いのはここまで。4周目、アスカリ・シケインで2番手フェルナンド・アロンソがバリチェロを抜く。バリチェロはそのままピットイン、タイヤをドライに交換した。結局6周目を終えて、アロンソ、バトン、モントーヤ、ライコネン、佐藤琢磨、クリエンがトップ6を形成。バリチェロは9番手、シューマッハーは11番手となっている。
10周目には、先頭のアロンソがピットイン。13周目にはモントーヤ、シケインをショートカットした佐藤琢磨、アントニオ・ピッツォニア、キミ・ライコネンらがピットイン。しかしここで前戦のウイナー、ライコネンはリタイアとなってしまった。
先頭に立っていたバトンは、14周目にピットイン。ピットアウト後も首位をキープ。2番手アロンソが20周を過ぎたあたりから秒差でバトンに迫り、3番手モントーヤ、4番手バリチェロ、5番手佐藤琢磨と続く展開となる。
31周目には、ピットインしたミナルディのジャンマリア・ブルーニの車から火の手が上がる。ピット作業中の燃料漏れだったが、すぐに火は消し止められ、ケガ人などはいなかった。