ウイリアムズが中嶋一貴をテストドライバーからレースドライバーに昇格させたことに対し、デイビッド・クルサードが懸念を表し、中嶋はまだF1レーサーとしての準備が整っていないとの考えを示した。
クルサードがルイス・ハミルトンについて十分な準備もしないうちにF1ドライバーにはなるべきでないと述べてから1年、今度は、先月のブラジルGPで中嶋が危険なドライビングをしたとして非難し、「F1は若者のための教養学校ではない」と強調した。このレースでF1実戦デビューを飾った中嶋とクルサードは、レース終盤に接触している。
クルサードはITVに連載中のコラムの中で次のように述べた。
「彼はブラジルGPのターン1でアウトから僕をパスした。それはフェアなことだ。でも、その後で僕の前を横切る必要はなかった」
「実際、僕たちはドライバーズミーティングで、ブレーキング中は他のマシンの前を横切ってはならないという申し合わせをした。マシンが空中に舞う可能性があるからだ」
クルサードも中嶋も結局、それぞれ9位と10位で完走を果たした。クルサードはクラッシュの結果としてサスペンションにダメージを負ったと述べているが、一方の中嶋は、自分にはまったく非はないと主張している。中嶋はこのレースで、より強烈なアクシデントに見舞われている。最初の燃料補給のためにピットストップした際、ピットクルーをはねてしまったのだ。
1994、1995年にウイリアムズでドライブしたクルサードは、これまでに229戦を戦い、現役としては2番目に経験豊富なドライバーだ。クルサードはルーキー批判について、新人にパスされたことから負け惜しみで言っているわけではないと強調した。
「先輩ドライバーが新人にオーバーテイクされたからこういうことを言うのだと受け取られるだろうことは分かっている」とクルサード。
「でも、もっと経験を積んだドライバー同士の間では、ああいった事故が起こる確率は低い」
「GP2のドライビング基準は、概してかなり粗野だ。こういった一部のルーキードライバーたちが、F1デビューを果たす前に達すべき基準は、もっと高いものであるべきだと思う。僚友のマーク・ウエーバーが少し前に“F1は若者のための教養学校ではない”と言っていたけれど、僕も同感だ」