上海インターナショナル・サーキットにて自チームの最後のグランプリを迎え、そして終えたミナルディのポール・ストッダート監督は、最後のスピーチに自らの指揮下にある部隊の勤勉さ、信頼、情熱を称える最後のスピーチをおこなった。
イタリアのマイナーチームと言われたミナルディだが、いつか人々を驚かせたいという信念の下に後方でこつこつ頑張り続け、21シーズンの間ほぼずっと皆に愛されてきた。今季を限りに飲料業界有力者ディエトリッヒ・マテシツのレッドブル傘下に加わり、来シーズンはスクアドラ・トロ・ロッソとして新たなスタートを切ろうとしている。
「合計で340グランプリ、21シーズンを37名のドライバーが走り、世界チャンピオンを一度輩出。きっともっと取れたかもしれないが」とストッダート。「これはどこから見ても十分な記録であり、私はミナルディ・チームのメンバーそれぞれ、ひとりひとりを誇らしく思う」
「ファエンツァのファクトリーで後方を支えるすべての仲間も含め、このチームには誰にも負けないハートとソウルがある。彼らがミナルディと共にある限り、“弱小による大成の成就はない”という言葉が正当化されることはない。F1に多大なる貢献を果たす一方、長年の間あらゆるハンディを乗り越えて、尊厳と情熱の双方をもって戦ってきたチームだけに、今日という日が残念でならない。現在のドライバーであるクリスチャンとロバート、そして経年のすべてのミナルディ・ドライバーとチームメンバーに対し、すばらしい仕事をしてくれたことに心より感謝したい」
ミナルディの最後のレースは、両ドライバーとも終始トラブルなく、しかしポイント圏外での完走に終わるという、これまでの多くのレース同様の結末を迎えた。そしてやはり今まで通り、チームはいつもやってきたのと同じように、出来うる限りの懸命のレースを見せた。
「テクニカルディレクターのガブリエーレ・トレドツィが成し遂げてくれたすべてに感謝したい。彼は、得られる限りの技術的資源をもたらすことで、ミナルディを最大限の水準に押し上げ、また尊厳をもって戦うチームとして世に知らしめてくれた」と、チーム創設者であるジャン カルロ・ミナルディ。
「長年にわたり我々は山ほどの問題を経験してきたが、チームの中に常に情熱が存在したおかげで対処してこられた。この21年にわたって尽力してくれた現場とファクトリーの全員に感謝したい。またこのチームの成長を支えてくれたすべてのドライバー、それにすべてのスポンサー、無条件に我々を支援し続けてくれたファンにも感謝したい」