モナコとニュルブルクリンクは残念な結果に終わったジャック・ビルヌーブだが、次のカナダは母国GPとあって、そこでツキを取り戻したいと願っている。
ジャックの父の名を冠したこのサーキットは、これまでジャックにとって幸先のいいコースではなかった。これまで8回出走しているが、F1デビューした1996年に2位に入ったのが唯一の入賞となっている。しかし、ビルヌーブはいつもモントリオールに戻ってくるのを楽しみにしている。去年、彼の不在を悲しんでいたファンたちが、今年は間違いなく彼をおおいに歓迎するはずだ。
「モントリオールのレースは、僕にとって特別なんだ」とビルヌーブは認めた。「僕のホームレースだからここに来るのが特別な感じがするというだけではなくて、このイベントには素晴らしいところがたくさんあるんだ。コースはとてもいい場所にあるし、観衆もファンタスティックだ。ドライバーたちは、たいていのコースよりもファンの人たちに近いところを走るし、おかげで素晴らしい雰囲気になるんだ。あの都市には、たくさんのエンターテインメントもあるし、人々はとても温かく歓迎してくれる。モントリオールに来て心から魅了されないなんていう人は、これまで見たことがないね」
「レースについて言えば、本当に高速のコーナーはないから、予選のラップはあまりエキサイティングではないんだ。でも、レースは素晴らしいよ。コースのいたる所にヘビーブレーキングのエリアがあるし、追い越しが可能だからね。メインストレートでは時速330kmから340kmにも達するけれど、真ん中あたりにある中速のシケインは難しいよ。かなりのスピードを保って進入し、素早く方向転換する必要があるんだ。あそこではたくさんのドライバーが事故を起こしている。僕も含めてね!」
「カナダでは、いくらかポイントが獲れることを願っている。僕らは最近のレースでは不運に見舞われてきたし、チームはまさにいい結果に値する仕事をしているからね。僕にとってはすごく大変な週になるはずだけど、とてもワクワクしているし、カナダに行くのが楽しみだよ」
フェリペ・マッサは、最近ザウバーの風洞で開発された新しい空力パーツの助けを借りて、このところの不運をはね返し、再び調子を取り戻したいと願っている。
マッサは先週、モンツァで2日間のテストを行い、チームが1600km以上を走行するのに力を貸した。彼は北米2連戦に向けて新しい空力パーツの評価テストを行うと共に、ミシュランと協力して、モントリオールとインディアナポリス用のタイヤ選択を行った。
「僕はモントリオールのコースは好きだ。ストレートとシケインがたくさんあって、ちょっとイモラに似ているね」とマッサは語った。「そのせいで、ブレーキには厳しいコースになっている。でも、ストレートのおかげで、オーバーテイクのチャンスがあるということでもあるよ」
「秘訣は、前のコーナーをうまく脱出できるようにすることだ。特にヘアピンが大事だよ。たいていは、コーナーへの進入でブレーキングを遅らせるよりも、コーナーをうまく脱出しておいて、その後のストレートで追い越しを試みる方がいいんだ。ブレーキング争いでは、誰かを追い越せるとしても、ほんのわずかなチャンスしかない。ここは、ほかのコースよりもウチのマシンに合うはずだと思う。イモラのようにね。だから、カナダでは活躍できると思うよ」