ウイリアムズと2005年の契約を結ぶと噂されるマーク・ウエーバーだが、今季中にも移籍かという周囲の予想を、ジャガー・レーシングは打ち消そうとしている。チームは、今シーズン中はもちろんのこと、それ以降もウエーバーを手元に残したい意向だ。
ジャガーは、ウエーバーがさらにいい条件のチームへ移籍しようとするのをとどめるだけのパフォーマンスは達成できそうもないように見えるが、マネージング・ディレクターのデイビッド・ピッチフォースがロイターに語ったところによると、チーム側は来シーズンも残留するよう彼に働きかけているという。ウエーバーはウイリアムズやトヨタから目を付けられており、パーソナル・マネージャーでもあるフラビオ・ブリアトーレがルノーの現行のドライバーどちらかを放出した場合、ルノーへ移籍することもあり得る。また、先週のイギリスGPでもポイントを獲得した27歳のウエーバーは、ケガをしたラルフ・シューマッハーに代わって、今シーズンの残りのレースにウイリアムズから出場するのではないかという噂もある。
「マークがシーズン終了前にチームを離れることはないだろうね」。そうピッチフォースは語り、ウエーバー獲得を求めるいかなるチームとも金銭的な合意に達する必要がないことを強調した。
「どんな金額の提示を受けても、今年中にマークを手放そうという気にはならないだろう。チームを運営するために必要な資金なら十分あるし、今年もこれ以上必要としていないんだよ。他の契約に向かう理由はどこにもないんだ」
さらにピッチフォースは、ウエーバーがチームを離れる決心を完全には固めていないと、自信を持って考えているようだ。実際、ウエーバーはイギリスGPで、トヨタには移籍しないとファンに告げている。しかし、ピッチフォースは、ウエーバーに残留してもらうように説得するならば、すみやかに行動に移さなければならないと語った。
「まだ、マークに対して交渉を済ませていないが、彼が他のチームから言い寄られてチームを去る決断を下す前に、きちんと済ませなくてはならない」とピッチフォースは語り、交渉前に親会社のフォードと事前に話をする必要性があることを示唆した。
「我々が確保している資金のことやチームを向上させるための計画といった具体的な内容を、マークに分かってもらわなくてはならないね」