先週末のシルバーストンでもパドック内ではさまざまなウワサ話が飛び交った。だが、そんな話のひとつが、ここへ来て当初考えられていたよりもずっと現実味を帯び始めている。
この話は、ウイリアムズが(というよりも正確にはBMWが)ホッケンハイムのレースでファン・モントーヤのチームメイトにドイツ人を望んでいるとの憶測から端を発したもの。だが、少なくともその時点では、来週末のレースに向けてニック・ハイドフェルドがジョーダンとの契約を解除できるかどうかが不透明だった。
チームボスのエディ・ジョーダンは、かねてよりハイドフェルドがトップチームでドライブし、その才能を開花させるのを見たいと語っていた。そして先月のアメリカGPでのラルフ・シューマッハーのアクシデントの後、彼らにとっては思わぬチャンスが巡ってきた可能性がある。
ラルフはF1の“夏休み”明けのハンガリーGPまでには復帰すると主張し続けているものの、確かに復帰できるという保証はなく、チームも彼のコンディション次第では復帰を受け入れないかもしれない。先日フランク・ウイリアムズは、ラルフ抜きではチームの凋落傾向を食い止められないと述べたが、ラルフはすでに2005年のトヨタ移籍を発表していることから、ウイリアムズが来季の人選も考慮しつつ、別のドライバーで今シーズンの後半戦の巻き返しを図る可能性も否定できない。
もしマルク・ジェネに代わってハイドフェルドがウイリアムズに乗るとすれば、彼はチームとの交渉をできる限り早くまとめる必要があるだろう。この夏、最後のテストセッションが今週予定されており、それを逃すとホッケンハイムのレースまでにFW26のドライブを経験しておくチャンスはなくなるからだ。
一部のメディアの報道によれば、マーク・ウエーバーが今季途中からウイリアムズに加わる可能性はほとんどなくなったようだ。そうなるとジェネに代わるドライバーとして現実的に考えられるのは、もはやハイドフェルドしかいない。そして、彼との交渉が不調に終わった際には、引き続きジェネがモントーヤの相棒を務めるものと見られる。
ハイドフェルドがウイリアムズへ移った場合、ジョーダンの空席はティモ・グロックが埋めてくれるはずだ。彼は金曜日のプラクティスでチームに好印象を与えているだけでなく、モントリオールでは予期せぬレースデビューも果たしている。グロックとジョルジョ・パンターノのコンビは、F1での経験という面ではいささか心もとないが、それは致し方のないところだろう。