F1世界選手権第11戦イギリスGPの公式練習3回目と4回目に続き、公式予選が行われた。
午前9時から45分間行われた公式練習3回目では、クリスチアーノ・ダ・マッタが1分21秒017で13番手。オリビエ・パニスが1分21秒416で15番手。午前10時15分から45分間行われた公式練習4回目は、クリスチアーノ・ダ・マッタが1分20秒183で11番手。オリビエ・パニスが、1分20秒531の14番手で、午後に2回行われる公式予選に臨む事となった。
午後1時から行われた公式予選1回目は、それまでの青空を雲が覆い出し、怪しげな空模様の下、気温18度、路面温度28度、湿度54%というドライコンディションの下で行われた。前戦フランスGPの決勝成績順で14番目にコースインしたクリスチアーノ・ダ・マッタは、1分22秒507で8番手。15番目にコースインしたオリビエ・パニスは、1分19秒697で3番手につけた。その後、午後2時から行われた決勝グリッドを決める予選2回目は、予選1回目の計測タイムの逆順でタイムアタックとなったが、10番目に出走予定のG.フィジケラ(ザウバー)がタイムアタックをしなかったため、12番目にコースインしたクリスチアーノ・ダ・マッタは、1分20秒545で予選14番手。しかし、その直後から、暗雲が立ち込め、終盤タイムアタックのオリビエ・パニスを含む予選1回目上位グループ各チームは、降雨の前のタイムアタックへと戦々恐々。残り3台となった17番目に、ドライコンディションの下でコースインしたオリビエ・パニスは、1分20秒335で予選12番手のタイムをマーク。ところが、タイムアタック後の減速走行で、次にタイムアタックしていたF.マッサ(ザウバー)に追いつかれたオリビエ・パニスはペナルティを課せられ、明日の決勝レースは、19番手グリッドからスタートすることとなった。
クリスチアーノ・ダ・マッタ
「今週末の仕上がりの難しさを考えれば、予選結果も納得出来る。アンダーステアを抱えており、低速域では苦しかったが、今朝の公式練習に比べれば、高速域では、はるかに良くなった。イギリスの天候は不順で、予測が難しいが、何とかドライコンディションでレースを戦いたいと願っている。もし、我々が幸運に恵まれれば、数ポイントは獲得出来ると思う」
オリビエ・パニス
「予選でペナルティを受けることになり、失望している。ベストを尽くし、明日への戦略からも、納得できる予選結果だっただけに、本当に悔しい。チームからの無線の誤解で、F.マッサに追い越されることになってしまったが、すぐにコースを譲り、行く手を阻むことも無く、決して意図的なものではなかった。裁定に不満は残るが、厳しいレースとなるであろう決勝レースをいつも通り全力で戦う」
マイク・ガスコイン:シャシー部門テクニカルディレクター
「チームがF.マッサの走行している位置を正しく伝えられなかったことを詫びなくてはならない。ただ、オリビエ・パニスがF.マッサを妨害することなく、コースを譲ったことが、審査委員会に認められなかったことには、落胆している。また、オリビエ・パニスへのペナルティは、厳しすぎるとも思う。個人的には、多くの観客が予選1回目のつまらないタイムアタックを我慢し、予選2回目を楽しんだと思うが、その中で頑張ったオリビエ・パニスがペナルティを課せられたことが、とても残念だ。オリビエ・パニスには、期待はずれの裁定を覆すためにも、明日の決勝レースでポイント獲得へと全力で戦ってもらいたい」
高橋敬三:技術コーディネーション担当ディレクター
「予選タイムとしては、多少の不満が残る結果となってしまった。しかし、我々の決勝へ向けての戦略を考慮すれば、クリスチアーノ・ダ・マッタは、充分に戦えると確信している。変わりやすい天候も含め、波乱のレースが予想されるが、ポイント獲得へと突き進む」
冨田務:チーム代表
「パナソニック・トヨタ・レーシングを代表して、今日、訃報に接することとなった、ミナルディ・チームのマネージャー、故ジョン・ウォルトンに哀悼の意を表すると共に、ご家族にお悔やみを申し上げたい」