F1世界選手権第10戦フランスGPの公式練習がフランスのマニクール・サーキットで開始された。
公式練習の1回目は気温21度、路面温度31度、湿度57%の曇り空のもとで、午前11時から開始された。しかし、1時間にわたるセッションの後半には、突然、大粒の雨が降り出し、その後、すぐに晴れ間が覗くという変わりやすい天候。パナソニック・トヨタ・レーシングは、この気まぐれな天候のもと、クリスチアーノ・ダ・マッタが1分26秒757で10番手、オリビエ・パニスが1分27秒499で11番手、リカルド・ゾンタが1分29秒085の13番手。2時間のインターバルの後、午後2時から1時間行われた公式練習2回目は、ランチタイムにパドックを襲った風雨も去り、気温26度、路面温度20度、湿度71%と蒸し暑さが増す中、開始されたが、再び、終盤15分を残して雨が降り出し、各チーム共、走行を見合すなど、波乱の展開。しかし、この難しいコンディションの中で、クリスチアーノ・ダ・マッタが1分15秒518でトップタイムをマーク。オリビエ・パニスは1分17秒303で11番手、リカルド・ゾンタが1分17秒735の15番手で続いた。規則から、両セッション共に雨が降ったため、タイヤの選択決定は、明日の午後12時まで可能となり、各チーム共、公式練習3回目、4回目へと準備を整えている。
クリスチアーノ・ダ・マッタ
「確かに、公式練習2回目でトップタイムをマークしたが、コースの状況が最も良い状況のもと、新しいタイヤを装着してマークしたタイムであり、大きな意味を持たない。今日の主目的であった、タイヤの評価を下すことは、絶えず、ウェットからドライへと変化する路面コンディションでは、不可能に近かった。明日、午後12時までにタイヤを選択決定せねばならないため、午前中の公式練習でその作業を行うことになるだろう。そういう意味で、今日はあまり有意義な初日とは言えなかった」
オリビエ・パニス
「刻々と変わる天候に翻弄させられた難しい初日であった。しかし、我々は、プログラムの遂行を試み、明日へ向けての貴重なデータを集積出来た。天候の崩れた終盤には、新しいタイヤを温存することを決め、タイムアップへの出走は行わなかった。とはいえ、とてもクルマの仕上がりは良く、満足しており、週末への着実な布石となった」
リカルド・ゾンタ
「あまりにも変わりやすい天気で、両セッション共に、有意義な結果は得られなかった。マニクールを走ったのは2000年のことであり、公式練習1回目の最初の数周は、コース終盤にある改修部分を学ばなければならなかった。公式練習2回目は、ドライタイヤを使用していて、第3コーナーに速く進入しすぎ、近づくまで、まるで乾いているかのように見えていた大きな水溜りに捕まってしまった。セーフティゾーンへとコースアウトしてしまったが、幸いにも簡単にコース復帰を果たすことが出来、タイムのロスもほとんど無かった。皆と同様に、刻々と変わるコースコンディションにプログラムの消化を妨げられた1日だった」
高橋敬三 技術コーディネーション担当ディレクター
「両セッション共に、途中で雨が降る難しいプラクティス初日となった。その中で、良い条件を見つけ、クリスチアーノ・ダ・マッタがトップタイムをマークしてくれた。しかし、タイヤ選択に関しては、他チーム同様に悪天候の影響で、充分なデータが取れたとは言えず、明日午前中のプラクティスで再度、評価、選択を行う」