FIAのマックス・モズレー会長は、F1の10チームの代表たちに、F1の将来に関する計画を2ヶ月以内にまとめるか、さもなくば新しい技術ルールの導入を認めるようにと求めた。
モズレーがロイター通信に語ったところによると、彼は、FIA世界モータースポーツ評議会(WMSC)に対して、F1の(トップスピードの削減などを中心とする)将来の方向性を決定する話し合いのために、2ヶ月という期限の設定を受け入れるように求めたという。この話し合いがまとまらなければ、モズレーは自らの裁量で、安全性を理由として2008年からの導入を提案しているアイデアのいくつかを、強制的に導入するということだ。そうなった場合、モズレーはすでに発言している通り、1994年にアイルトン・セナとローランド・ラッツェンバーガーが死亡した後に初めて使われたレギュレーションの条項(安全確保のためなら、全チームの合意がなくても規則変更が可能だという条項)を引き合いに出すつもりだという。
「これで、ちゃんとした結論をまとめるのに、2ヶ月の猶予があるわけだ。彼らに話したんだ。WMSCは、マシンのスピードを削減するための変更を考え出すように、技術作業部会に正式の通達を出すべきだ、とね。それが最優先事項であり、そこから、さらなる変更のアイデアが出てくるかもしれない」
モズレーは、過去2戦のフェリペ・マッサとラルフ・シューマッハーの事故の後、特にスピード削減に熱心になっており、各チームがエンジン容量と空力の変更について何らかの合意に達することを期待している。
現行の3リッターV10エンジンからの変更が、モズレーの計画のうちで特に上位に来ているが、これは、BMWなどいくつかのエンジンメーカーから反対を受けている。エンジン会社は、変更に関する提案を6月末までにまとめるように、という期限を申し渡されていたが、回答はほとんど聞こえてきていない。
「結局のところ、これは、BMWがF1に留まりたいか否かという問題だ」と、モズレーは、最近ヒースローで行われた、各チームとマニュファクチャラー、スポンサー、統括団体FIAの話し合いの後で語った。「大多数が方向性を決めれば、そっちへ進むことになるだろうと思うよ」