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F1 Topic:ザウバーF1のシート争いにリオ・ハリアントが対抗馬として急浮上
2016年11月13日
2017年のシート争いはいよいよ佳境に入りつつある。ルノーがジョリオン・パーマーの起用を決めたことで、そこから漏れたエステバン・オコンがフォースインディアへと行き、同じくルノーのシートを失ったケビン・マグヌッセンはハースへと移った。そこで注目が集まるのはザウバーだ。
ルノーはワークス体制とはいえ資金的に強固と言えず、今季途中には資金難で古いパーツを使い回したがゆえに本来の性能が発揮できないといった問題に悩まされたり、フランス側(本部・パワーユニット部門)とイギリス側(車体部門)の関係が険悪になったりといったこともあったという。
そんな状況だけに、最終的にはパーマーが持ち込む資金が決め手になったようだ。しっかりとした結果はニコ・ヒュルケンベルグで確保し、もう1席は資金力を優先したというかたちだ。
2017年に向けて、これで残るはザウバーとマノーの2席のみ。マノーの1席はパスカル・ウェーレインの残留が確定的で、となればチーム体制強化の進むザウバーのシート争いが激しくなる。
ザウバーは来季、1年落ちのパワーユニットを使用することを決めている。そのため今季のトロロッソのように苦戦を懸念する声もあるが、「車体開発にリソースを集中する」という方針にも一理ある。旧型とすることで供給費用が安くなることに加え、フェラーリの2017年型パワーユニットの仕様決定が遅れるのに影響されず勝手知ったる現行型パワーユニットとギヤボックスで充分にマシン開発に時間をかけることができる。車体レギュレーションが大きく変わる2017年だけに、このメリットは大きいと判断したのだ。
「最初はどうしてだろうと思ったけど、ファクトリーや現場で色んな人の話を聞いて、正しい選択だと思えたよ。ザウバーは過去数年、予算の制約のせいで車体側の開発を充分に進めてこられなかった。でも来年は車体開発にリソースを集中させることで、車体の伸びしろが大きいはずだよ」(マーカス・エリクソン)
「来年は車体レギュレーションが大きく変わり空力パフォーマンスが大きく拡大するから、その点の開発に集中することで得られるものは非常に大きい」(フェリペ・ナッセ)
来季のフェラーリはパワーユニットを大幅に刷新するといわれているが、それでも2016年型059/5もパワーユニットだけで比較すればメルセデスAMG製PU106Cと0.1〜0.2秒程度の差まで肉薄しているという。となれば、1年落ちでも今季のトロロッソほど高速サーキットで苦戦することはないと推測できる
加えて、ヨルグ・ツェンダーをはじめとして新たな人材を次々と獲得し、チーム組織の再編も進んでいる。事実、ポイントこそ獲得できていないが、シーズン後半戦のレース内容は次第に上向いている。
「正直言って数カ月前の時点では最も魅力的な選択肢とは言えなかった。でも今ではチームは正しい方向に進んでどんどん良くなっているし、魅力的なオプションになっているよ」(エリクソン)
では、そんなザウバーのシートに収まるのは誰か?
当初はエリクソンとナッセがともに残留すると思われていたが、ここに来て有力な対抗馬が出てきている。それがリオ・ハリアントだ。
エリクソンは、9月にザウバー買収を決めたロングボウ・ファイナンスの背景にあるのがスウェーデン企業テトラバルだけに残留は確定的。しかしナッセはシートが危うくなってきている。ナッセが持ち込むバンコ・ド・ブラジル以上のスポンサーからの支援を、ハリアントが確保しつつあるからだ。
母国インドネシアの国営エネルギー企業プルタミナの支援を受けるハリアントは、それ以外にも東南アジア諸国や中国、日本からのスポンサー支援が見込まれている。日本からは有名アパレルメーカー、IT企業、飲料メーカーなど、中国からはソーラーパネル企業が名乗りを挙げて交渉中だという。
どうしてこれほどまでにスポンサーが集まるのかというと、その背景にあるのは単純なPRを目的としたスポンサー支援だけでなく、これから急激な拡大が予想されるインドネシア市場でプルタミナ(つまりインドネシア政府)との提携によって有利にビジネスを進められるという大きなメリットがあるからだという。それだけインドネシア政府としてもハリアントを支援したいということでもある。
ハリアント自身は「ここに来て急速にドライバー市場が動いているので今はまだ何とも言えない」としつつも、ザウバーとマノーを天秤にかけながら交渉を進めているようだ。
いずれにしてもザウバーのシートはハリアント陣営がナッセのバンコ・ド・ブラジルを上回るスポンサー額を確保できるかどうかに掛かっていると言える。
ザウバー代表のモニシャ・カルテンボーンは「今シーズン末までにドライバーラインナップを確定させる予定」としており、最終戦アブダビGPまでの2週間のうちに決着を見ることになりそうだ。
(Text:Mineoki Yoneya)
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1位 | マックス・フェルスタッペン | 331 |
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3位 | シャルル・ルクレール | 245 |
4位 | オスカー・ピアストリ | 237 |
5位 | カルロス・サインツ | 190 |
6位 | ルイス・ハミルトン | 174 |
7位 | ジョージ・ラッセル | 155 |
8位 | セルジオ・ペレス | 144 |
9位 | フェルナンド・アロンソ | 62 |
10位 | ニコ・ヒュルケンベルグ | 24 |
1位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 516 |
2位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 475 |
3位 | スクーデリア・フェラーリ | 441 |
4位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 329 |
5位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 86 |
6位 | ビザ・キャッシュアップRB F1チーム | 34 |
7位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 31 |
8位 | ウイリアムズ・レーシング | 16 |
9位 | BWTアルピーヌF1チーム | 13 |
10位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 0 |
第18戦 | シンガポールGP | 9/22 |
第19戦 | アメリカGP | 10/20 |
第20戦 | メキシコシティGP | 10/27 |
第21戦 | サンパウロGP | 11/3 |
第22戦 | ラスベガスGP | 11/23 |