BMWモータースポーツのディレクター、マリオ・タイセンは、今季マニュファクチャラーズ選手権3位に入った同チームにとってもっとも忘れられない思い出は、カナダGPでロバート・クビカが見舞われた大クラッシュだと語った。
タイセンは今季を振り返り、モントリオールの病院に運ばれたクビカの大クラッシュにチームは大きな衝撃を受けたが、同時にF1.07の安全性も確実に証明されたはずだと述べた。
「今シーズン、最もショックだったのはモントリオールでのロバートのアクシデントだ。彼が実質的には無傷だという吉報が届くまでの数分間は本当に辛かった。しかしその一方、私にとって今シーズンのハイライトもまたモントリオールだ。ニック(ハイドフェルド)の2位はチームにとってこれまでの最高位だ。また、ロバートがクラッシュから実質無傷で生還できたことで、マシンの強度と優れた構造を示すことができた。こうして考えてみると、あの週末はチームにとって、2つの分野で勝利を収めたようなものだ」
またタイセンは、クビカのクラッシュに比べれば大したことはないが、時としてチームの前進を阻んだ信頼性不足にがっかりしたと述べた。
「衝撃は低かったが、技術的な問題で何度もリタイアしたのはショックだった。この種の問題を無視することはできない。しかし、ドライバーが日曜日のレースでのハードワークに反して何の報酬もなく、手ぶらで戻ってくると、チームはかなり堪える。今シーズンはどのレースでもポイントを獲得した。その意味で、今年の17戦はすべて手ぶらであったことはない」
タイセンは、クビカとハイドフェルドの今季のパフォーマンスについて満足を示すとともに、2人がいいパフォーマンスを続けられるような仕事ができて満足していると述べた。また、クビカもハイドフェルドも他チームへの移籍の噂が出ていたが、実際にはシーズンのかなり早い時期に再契約を済ませていたことを明らかにした。
「ニックとロバートはトラックの内外でとても印象的な活躍を見せてくれた。だから、私たちは来季も2人にドライバーを務めてもらいたいと考えている。しかし、そうしたことは今シーズンのかなり早い時期にお互い合意に達していた。クビカとは、彼がカナダでアクシデントを起こした後、契約延長を行った。まだドライブできない状態のときだったけれどね。また、ニックとも早い時期に合意に達していた。おかげでシーズン中、すんなりと契約関連の事柄を済ませることができた」