イギリスのメディアは、フェルナンド・アロンソとルノーの契約が締結間近であり、アロンソが受け取る額は、1年2000万ドルになると伝えた。
これまでは、ルノーのフラビオ・ブリアトーレは複数年契約を望み、アロンソ側は2009年のフェラーリへの移籍を狙い、1年契約を希望、両者の思惑の違いが障害になっていると言われてきた。しかしイギリスのガーディアン紙は、ある情報筋によれば、ブリアトーレは、スペインの携帯電話ネットワーク事業者であるテレフォニカを含むコンソーシアムとのスポンサー契約に動いており、テレフォニカがアロンソを説得したのだと報じている。
一方、スペインのエクスパンション紙の報道では、世界でも有数のメキシコの大富豪、カルロス・スリムが所有する通信会社、テルメックスともブリアトーレは交渉を行っているという。
もしアロンソが古巣ルノーに復帰するとすれば、チームメイトは現在のテストドライバー、ネルソン・ピケJrになるという見方が強い。ジャンカルロ・フィジケラは行き場を失い引退の可能性があり、ヘイキ・コバライネンはアロンソと入れ代わる形でマクラーレンに移籍するのでは、とうわさされている。
ルノーは、今季の失敗を生かして製作にあたった来季マシンでトップに返り咲けると自信を見せている。アロンソは新車に対するお墨付きをもらうと共に、慣れ親しんだ環境の中で戦えるというメリットもある。
「アロンソはずっと不利な状況に置かれてきた」とブリアトーレはイタリアのアウトスプリント誌に語っている。
「我々のところにいれば、そんなことにはならなかったはずだ。我々は透明性を持って仕事をしているからね。(リカルド・)パトレーゼ、(JJ)レートが、自分のマシンが(ミハエル・)シューマッハーのマシンより遅いと嘆いた時には、“彼をそっちのマシンに乗せて、ペダルを変えて、走らせろ”とチームに指示したものだ」
「人はドライバーたちに多くを望みすぎる。彼らはまだ20歳や25歳の若者なのに、常にもっと成熟した大人の振る舞いをすることを期待するんだ。もっと人間的な面を考えてやるべきだ。彼らは自分には手に余るような状況に陥ることがあり、我々の方でも助けてやれないこともある。だが、フェルナンドに限っては、私たちとの間に問題が発生したことは全くなかった」