フェルナンド・アロンソが、金曜日にマクラーレンとの決別を発表したことで、ドライバー市場に波乱が起こり、各チームがアロンソを獲得しようとする動きが始まっているという。
現在は空きシートはかなり限られており、アロンソの野望や必要とする報酬額に応えられるチームはさらに少ないにもかかわらず、これほど有名で才能あるドライバーを手に入れられるかもしれないとなれば、いくつかの契約が白紙に戻される可能性もありそうだ。
レッドブル・レーシングがアロンソの獲得レースに加わっているというウワサがささやかれ始めたのも、そういう背景があってのことなのだろう。レッドブルでは、数カ月前にデイビッド・クルサードとマーク・ウエーバーとの契約が発表されている。
しかしながら、BBCとロイター通信は、野心的な同チームがアロンソ獲得のために計画を変更するかもしれないとほのめかしている。レッドブルはF1に参戦してから何度かポテンシャルの高さの片鱗を見せているものの、まだ大きな印象を残せずにいる。
それでも彼らの野望は大きく、エイドリアン・ニューエイの技術的ノウハウとクリスチャン・ホーナーの経験豊かなマネージメントと共に、豊富な資金がその目的を支えている。この組み合わせは、2008年に利益をもたらすだろうと見られている。
Italiaracing.netによれば、もうひとつアロンソにとって魅力となるかもしれない要素として、ロス・ブラウンが休養から復帰した場合、レッドブルが彼を獲得するかもしれないというウワサがある。
これがクルサードとウエーバーにどう影響するのかはまだ分からないが、クルサードがアロンソにシートを譲り、必要とあれば、直接交換という形でマクラーレンに復帰することもあり得ると報じられている。
または、フラビオ・ブリアトーレがマネージメントを担当しているウエーバーが他のチーム(マクラーレンの可能性もある)に移ることで、アロンソが1シーズンだけレッドブルに加入し、2009年にルノーに復帰するということも考えられる。
しかし現時点では、アロンソはルノーやトヨタに行く可能性の方が高そうだ。両チームとも、マニュファクチャラーベースのチームであり、空きシートを持っているからだ。
ルノーは、今年ふたつのタイトル防衛に失敗しているだけに、かつて在籍していたスターがチームに復帰し、不運を覆してくれることを願っている。しかし、ルノーはたくさんのドライバーを抱えており、ネルソン・ピケJrはF1のどこかのチームでシートを獲得するだろうと見られている一方、ヘイキ・コバライネンとジャンカルロ・フィジケラは来季の計画が定まっていない。
トヨタに関しては、少なくともアロンソを満足させるだけの資金を持っているが、F1に参戦して以来6年間の成績は、とても安定しているとは言えない。しかし同チームは、ティモ・グロックと契約する可能性が濃厚と見られており、トヨタエンジンを使用するウイリアムズがアロンソの行き先になるかもしれない。
2004年以来となる勝利を挙げられるマシンを用意できるかどうかはまだ分からないが、アロンソとニコ・ロズベルグというラインナップは魅力的だ。ただし、マクラーレンがロズベルグを引き抜いてしまわなければの話だが……。