2005年10月27日
仏パリ発表プレスリリース意訳
2005年10月26日、FIAの世界モータースポーツ評議会は、2006年のF1におけるタイヤの使用法について新しいルールを採択した。それは、レース中のタイヤ交換の復活と、各チームに割り当てられるタイヤ本数の増加だ。このルールは2006年から直ちに実施される。
事前の告知がないこの急な変更は、
1)FIA会長が掲げていたコスト削減の目標に矛盾
2)FIAがもっぱらコスト削減を目的に導入した2005年レギュレーションより後退
この結果、新しいルールによりタイヤの開発、生産、輸送のコストは15%増加することになる。2005年のソリューションは、新しい2006年レギュレーション下では全く使えないからだ。この決定は、製品の技術やタイヤがどんなものかを理解しないまま下されたことが見て取れる。
タイヤの摩耗とグリップは、特定の距離で最大限のパフォーマンスを発揮するように計算されている。350km走るために設計された2005年のタイヤから、100km(あるいはそれ以下)で交換していい2006年のタイヤに切り換えるには、タイヤメーカーは完全に新世代のタイヤを設計しなくてはならず、コスト高を招くことになる。
ミシュランは350km走行可能なタイヤを設計し、パートナーに年間計18勝をもたらした。その2005年の研究成果を無に帰するこの決定の裏にどんな意味があるのか、この数週間にいろいろなところで書かれ、言われている通り、私たちも疑問に思わざるを得ない。
従ってミシュランは、2006年F1レギュレーションに隠されたFIAの意図に疑問を呈する。
今回の出来事にも、F1における意思決定の一貫性のなさと、透明性の欠如という問題がはっきりと表れている。
この問題については、ミシュランのパートナーチームが可能なかぎりの努力をしてくれたことに感謝の意を表する。残念ながら徒労に終わったとはいえ、新しいレギュレーションが過去に逆戻りすることに、最後まで抵抗してくれたのだ。