BARのチームボス、ニック・フライは、2006年にF1参戦がウワサされる謎の新チームについて、彼の考えでは、来季の参戦が実現する可能性は65パーセントであると語った。
今週、ホンダが来季、第2のチームへのエンジン供給の準備があることを明らかにした。さらに、ジェンソン・バトンの残留に伴ってBARを去ることになった佐藤琢磨が、来季のドライブに関して、11番目のチームと話をしていることを認めた。
今週末の日本GPを前に、鈴鹿で英クラッシュネットに対して語ったフライは、来季の開幕に新チームがグリッドにつく可能性は大いにあると述べた。ただし、その計画が、レッドブルがミナルディを買収したように、ホンダがBチームを作るというものではない、とも語った。
「この段階では、実際たいして話せるようなことはないが、ホンダは何かをいうべきだと感じたのだ。なぜなら、話し合いは進んでいるし、バーニーは、いわばゴーサインを出したようなものだからだ。それは新しいチームで、いくらかモータースポーツの経験があり、参戦に必要なスポンサーという点でも、確実性があると思われる。だが、それは独立系チームであって、ホンダのBチームなどではない。エンジンは彼らに売られることになるだろう。それは来年のエンジンで、V10ではなくV8だ」
「ホンダはもちろん、かつて2チームに供給した経験があるので、2チーム供給に必要とされるのは何かをきちんと把握している。製造上のキャパシティはまだ余裕がある。彼らは私たちとジョーダンをサポートしていたんだ。話し合いはここ2カ月ほどの間で進められている。100%確実なことはないが、有望そうな状況だ」
「(実現の可能性について)私は65対35だと言っている。半々よりは見込みがあるよ」
2006年のエントリー締め切りまであと1カ月と少しとなっており、チームが参戦するつもりならば物事を迅速に進める必要がある。チームが来季、実際に出場するには、数カ月で何もかも準備しなくてはならないのだ。
それを念頭においてフライは、新チームが結局、現行のBAR007の改良バージョンを走らせることになるかもしれない、と認めた。ただし、そうするには、チームはマシンの知的所有権を購入して、製造する必要があるだろう。F1のルールは、チームが他の者の製造したシャシーを使用することを禁じているからだ。
「それについては話し合われるだろう。もちろん、これはエンジン供給契約だ。マニュファクチャラー側がみな言っていたのは、それがエンジン供給と技術的サポートだということだ。それがどこまでのものなのか、まだ100%決まってはいない。しかし、明らかに、彼らがゼロからシャシーを造るのには困難が伴うだろう」
佐藤琢磨は、すでにこの新チームのドライバー候補に挙げられているが、フライはまた、アンソニー・デイビッドソンも、BAR時代を通じてホンダとのつながりがあったことから、レースシートに座る可能性がある、と語った。しかしフライはまた、いかなるドライバー契約も、ホンダが供給するエンジンパッケージと関連して結ばれることはないだろうと付け加えた。
「彼にも可能性がある。もちろん、決定するのは、その別のチームの方だが、琢磨もアンソニーもホンダにはよく知られていて、いい仕事をしている。タクはすでに接触を受けていることを明らかにしているし、私たちとしては、アンソニーにも可能性があると想像している」
「エンジン供給はひとつの契約であって、その後で、チームは誰にドライブしてもらいたいかを決めることになる。タクはすでに話をもらっていることを明らかにしたので、どうやら彼らはその段階に達しているようだ」