佐藤琢磨のマネージャー、アンドリュー・ギルバート-スコットは、琢磨がテストドライバーとしてレースドライバーのジェンソン・バトンとルーベンス・バリチェロをサポートする役しかオファーされないならば、BARホンダチームに留まる意味はない、と述べた。
「まったく意味が見いだせない」とアンドリュー・ギルバート-スコットは、ブラジルGPを前に、ロイター通信に対して語った。「まったく何の利益にもならないと思う。なぜなら、長期契約を結んだレースドライバーがふたりいることがはっきりしているからだ。それでは、将来は望めない。私たちは、前進できるような何かを見つけたいのだ」。
BARにおける琢磨の将来は、バトンがウィリアムズの契約からの自由を勝ち取った瞬間に、はかないものとなった。ハンガリーGPですでに、バリチェロの加入が発表されていたからだ。両ドライバーとも多数年契約にサインしており、バトンは通常よりも長くチームと契約していると考えられている。
なんとかして琢磨のためにレースシートを確保しようと、ギルバート-スコットは、まだシートに空きのあるいくつかのチームに目を転じている。日本のトヨタが来季もエンジン供給を続ける、ジョーダン/ミッドランドチームはその候補のひとつだ。また、ウィリアムズも、バトンの代わりに誰がドライブするのかをまだ発表していない。琢磨がホンダとのつながりからIRLに転向するかもしれないとか、新しいA1グランプリ・シリーズに参戦するかもしれない、という説については、マネージャーは否定している。
「私たちはたくさんのサポートを受けてきたし、起こったことについては(日本で)多くの人たちが大変失望している。私たちは来季タクをレースシートに座らせようと頑張っている――それが最優先だ。だが、アメリカやほかのものは考えていない――F1で見つけられるだろうと、私は非常に楽観視しているんだ」