9月25日のIRL第16戦で今季のIRLのチャンピオンとなり、2005年インディ500のウィナーであるダン・ウェルドンは、来シーズンのF1のシートの獲得に向けての活動を行っている。
ウェルドンのマネージャー、ジュリアン・ジャコビは、ウェルドンに代わって、ウイリアムズ及びBMWの両者に対してウェルドンを売込み中。金曜日にはインテルラゴスでBMWのマリオ・タイセンと話す機会を持っている。
BMWはウイリアムズとの現在の関係から離れ、2006年にはザウバーの施設を買収して自身のチームを立ち上げることとなる。だが現時点ではこのチームのシートのひとつはニック・ハイドフェルドで決定、発表がされている。そのもうひとつにウェルドンが座れるようにと働き掛けているところだ。もっとも現在のザウバーにジャック・ビルヌーブが在籍しているのではあるが。
カート時代にはジェンソン・バトンのライバルでもあったウェルドンは、IRLでのホンダとの関係から、F1ではBARのシートの可能性を探っていた。だがバトンがウイリアムズとの契約を解消し、BARに残留を決めたことで、同チームのシートは数年先まで埋まってしまった。また控えに回るにしても、BARはここ数週間で4人のドライバーとBARの開発プログラムに関して契約を交わしており、若い才能にも足りている状況だ。
ウイリアムズ及びBMWでのシート確保の可能性について、ジャコビはコメントを避けた。だが、イギリス クラッシュネットに対しては「言えるのは、ウェルドンはアンドレッティ・グリーンとの契約更新はまだ済んでいないということだけ」とコメントを残している。
またジャコビは、ウェルドンの今シーズンの勝利の記録が彼の実力を証明していると語っている。実際、今週末のワトキンス・グレンで彼はIRLチャンピオンというタイトルを彼のキャリアに加えることになる。ウェルドンは、地元のイギリスでいい走りを見せたものの、ステップアップするに十分な資金を得ることができず、その目をアメリカに向けることとなった。そして3つのマイナーシリーズのそれぞれで最優秀新人を獲得、その後パンサー・レーシングからIRLでブレイクすることとなる。
ウェルドンは、1966年にグラハム・ヒルが獲得して以来のインディ500のイギリス人ウィナーとなった。また、インディ500とIRLの両タイトルを獲得した最初のイギリス人となることは間違いない。イギリス人に留まらず、またCART時代を加えても両タイトルを獲得したのは10年前のジャック・ビルヌーブまでさかのぼらなければならない。
今年27歳のウェルドンは、ウイリアムズにおいてはGP2シリーズのリーダー、ニコ・ロズベルグとレースシートの座を争いうことになる。またBMWにおいては、ザウバーに所属しているビルヌーブが、現在の契約はザウバーがBMWに正式に買収される時点でそのまま継続されるべきと主張している。
ジャコビはF1では良く知られた存在だ。ファン-パブロ・モントーヤやペドロ・デ・ラ・ロサのマネージメントも行っている。また、過去にはアイルトン・セナ、アラン・プロスト、それにビルヌーブのマネージメントも務めたことがある。