FIAは4日、2008年シーズンからのF1レギュレーション草案を発表した。この草案には、F1のタイヤサプライヤーを1社に決定するという項目が盛り込まれている。
安全性を理由に、ミシュラン勢14台がアメリカGP決勝をスタートしないというインディアナポリスでの失態は、まだ我々の記憶にも新しいところだが、そんな中、FIAは2008年から2010年までをカバーする予定のレギュレーション草案を発表した。この草案によれば、グリッド上に並ぶ全てのマシンにタイヤを提供するマニュファクチャラーが1社となり、現在ミシュランとブリヂストンの間で展開されているタイヤ戦争が消滅することになりそうだ。
この提案の背後にある理由を、FIAは、より一層の安全性を確保するためと説明している。また、現在はミシュランとブリヂストンがライバルよりも優れたタイヤを製造しようとタイヤ戦争を繰り広げているが、そのタイヤ戦争によって生じるコストを軽減するためでもある、と表現している。
FIAは、このタイヤサプライヤーの役割を入札制度によって決めることになりそうだ。しかし、決定を下すには、適切なサプライヤーの存在、そしてタイヤテスト全てを確実に公正に実施するための適切なシステムの存在が必要となるだろう。さらに、入札の過程において合法的な妨害がないか、また、サプライヤーが1社に決まることによって不利益を被るようなチームがひとつもないか、そういったことも決定を左右するであろう。
タイヤサプライヤーを1社に絞るという案が導入されるかどうかは、提案をFIAの技術部門が最終承認するかどうかにかかっている。この技術部門は、2008年以降のF1世界選手権に参加するという意思表明を行った各チームや、レース主催者らと協議を行うものと見られている。
現在のところ、フェラーリのみがその期日以降もF1に参加予定である。しかし、レッドブル・レーシングも、来季からフェラーリ・エンジンを使用するという発表をしており、フェラーリに続くのではないか、という憶測が流れている。
レギュレーション草案に示された他の変更点は、ダウンフォースレベルの削減、スペアカーの禁止などが含まれている。さらに、カスタマーカーも導入し、F1参戦に興味を持った人々が、彼ら自身のマシンを製作せずに参戦できる道を作ろうとしている。