BMWモータースポーツのボス、マリオ・タイセンは、ウイリアムズF1チームのフランスGPでのパフォーマンスを‘ぜい弱’と評し、FW27に据えられたエンジンには悪いところはなかったと主張した。この発言はチーム内の緊張をさらに高めることになりそうだ。
2006年にザウバーの過半数の株式を取得し‘ワークス’チームを立ち上げるという決定をBMWが下してから、ウイリアムズとのパートナーシップの将来が不確定な状況なだけに、こうした態度やコメントはチーム内で歓迎されがたいものだ。マーク・ウエーバーとニック・ハイドフェルドは、トラブルに見舞われたためジョーダンを間にはさんでのフィニッシュとなり、予選、決勝ともトップ10を外れる結果となった。
タイセンは2006年もウイリアムズにエンジンを供給し続けたいと話しているが、マニ−クールのレース後の彼のコメントは今後の交渉をスムーズにするものではなかった。チーム監督のフランク・ウイリアムズはBMWに対し、4週間以内に結論を出すよう求めている。
「レースは予選同様の弱さだったし、(おまけに)二人のドライバーのうち一人も改善の見込みさえ見えなかった」と苛立つタイセン。「レースが進むにつれ、両車はメカニカルトラブルに見舞われた。これについては今後分析が必要だ。エンジンは問題なかった」
「シルバーストンでのGPの前に、このパフォーマンスの弱さの理由を見つけるために今回のデータを分析する必要がある。この状況ではテストが役立つはずだが、日程的に不可能だ」
テクニカルディレクターのサム・マイケルはウエーバーとハイドフェルドの二人にトラブルがあったことを認め、またこれから次のGP入りまでに仕事が山積みだと話す。
「チームにとって残念なレースだった」と彼。「あの走りは我々の通常の水準ではなかったので、これから工場に戻って必要な調査をする。また2台とも、ピットウォールのデータを見てもわかるメカニカルなトラブルがあったので、どのパーツが壊れたのか確認するために分解して組みなおす必要がある」