フェラーリのジャン・トッド監督は、チームの最近の成績はチームの総合的な戦闘力を完全に反映してはいないと主張している。予選グリッドがよくないせいで、F2005の真のスピードが発揮できていないというのだ。スペインGPで、ミハエル・シューマッハーは3位まで追い上げたところで、タイヤトラブルによってリタイアを喫した。このトラブルについてはまだ、チームもブリヂストンも、完全には説明していない。
トッドは、バルセロナのレース後にこう語った。「私にわかるのはただ、ミハエルが他車よりも重かったということ、そしてそのおかげでリタイアしたときに3位まで上がれていたということだ。ある特定のトラブルが起きなければ、状況を改善するために戦えていたはずだ。それが成功していたかどうかは、わからないがね」
「バーレーンでは、私たちはレースではとてもコンペティティブだった。イモラでもとてもコンペティティブだったが、スタート位置が後ろ過ぎた。今日も、トラブルが起きるまではとてもコンペティティブだったが、今回もまたスタート位置が後ろ過ぎた。私たちはコンペティティブだが、現在のところポイントを取れていない。これはよくないことだ。コンペティティブでなくても最大限のポイントを取れる方がずっといいが、そういうことも起こらないだろう」
トッドは、チームがまだ今年のチャンピオンシップをあきらめてはいないという。
「もちろんだ。だが、だんだん難しくなってきている。レースごとに、よそが6点、8点、10点も多く獲得しているのでは、どんどん困難になる。だがチャンピオンシップは長いし、まだ14レース残っている」
「私たちは勝利が好きだが、負けないわけにもいかない。勝利に敗北はつきものだ。本当はどちらが好きかと聞かれるなら、答えは簡単だがね」
「これは私たちの責任だ。私たちは十分いい仕事ができていない。それは明白なことだ」
トッドはまた、ブリヂストンがミシュランに比べて総合的なテストの走行距離が足りないために苦しんでいることを強調した。
「もうひとつの事実は、私たちがブリヂストンタイヤを履く唯一のチームとして戦っているということだ。ブリヂストンは素晴らしいパートナーだ。私たちは彼らと共に、ほかのどこよりも多く優勝してきているからだ。だが、ごくわずかに問題があるとすれば、現在、8台のマシンに先を行かれてしまっているということだ。だが、私は文句を言っているか?いや、それは分かっているというだけだ」
トッドが認めたところによると、フェラーリは別のトップチームがブリヂストンを履いて戦うのを歓迎するということだ。これは、チームの以前の考え方とは矛盾するようだ。フェラーリは、タイヤサプライヤーのブリヂストンと特別な関係を築くためにあらゆる手だてを取ってきたからだ。
「私たちは、まったく反対するつもりはない。間違いなく、テストでは助けになるだろう」
将来エンジンパートナーとなるレッドブルに対して、2006年にブリヂストン勢に加わるように促すつもりがあるかと聞かれて、トッドは答えなかった。「まずは今年のことが先だ。まだ14レース残っているし、その後になってみればわかるだろう」
次のモナコに向けてトッドは、シューマッハーがスペインでのリタイアのせいで、一回目の予選の出走順が早くなることについては、それほど心配していないと語った。
「それについては文句を言ったことはない。それはフェアなことだと思う。出走順は決めなくてはならないのだから。より速いパッケージを準備できるかどうか、あるいはレースで完走してこういう事態に陥らないようにできるかどうかは、自分たち次第なのだ。(モナコでは)、前からスタートして、十分信頼性のあるタイヤと、いい作戦、そして信頼できるマシンで戦う必要がある」