フェラーリは、フェルナンド・アロンソをミハエル・シューマッハーの後釜として考えているのではという憶測を一蹴した。チーム代表のジャン・トッドによれば、ショッピングリストのもっと上位に別のドライバーがいるという。
ライバルチームやメディアの注意をそらそうとする戦略なのかどうかは分からないが、トッドの主張するところでは、たとえシューマッハーが華々しいキャリアを終える決意をしても、フェラーリは現ポイントリーダーのアロンソを欲しがったりはしないという。
トッドは、ドイツのビルド・アム・ゾンターク紙に対して、次のように語った。「ミハエルは非常に思慮深い。引退の潮時だと悟れば、そうするだろう。だが、彼が引退を考えているとしても、今季のことに基づいて決めたりはせず、自分のフェラーリ時代全体に基づいて決めるだろう。そして、そのフェラーリ時代は、全体としてみれば、これまで素晴らしい成功を収めている」
「だが、彼がいつやめるつもりなのか、どうして私に分かるはずがある?彼が実際に決断するときには、単純に“今がそうだ”と言うはずだ。決断の理由となるのはおそらく、もうこれ以上勝てないと気づいたり、突然人生にはF1以外のものもあることに気づいたり、といったことだろう。私たちがこれまで常に言ってきたとおり、彼はF1に居続けたいと望むかぎりは、フェラーリにとどまることができる。だが、いつでも望むときにやめることもできるのだ」
アロンソは、少なくともメディアの報道では、ごく当たり前のようにシューマッハーの後釜になると見られているが、そのアロンソについて聞かれたトッドはウワサを否定した。アロンソは現在26ポイントで、チャンピオンシップのトップを走っており、2ポイントのシューマッハーを大きくリードしている。
「もちろん、すぐに入ってきてシューマッハーの代わりを務められるような候補者などいない。だが、私たちがアロンソを欲しがっているなんて、誰が言い続けているんだ?なぜ私たちが、特に彼を欲しがらなくてはならないんだ?ほかにも才能あるドライバーたちがいるし――アロンソは、私たちのリストの一番上に来ているわけでもないよ。私としては、イギリス・ドイツの連合チームでドライブしている若者の方が、もっといいと思うがね……」