フェラーリが合意事項を破ってテストを行った事態に、マクラーレンCEOのマーティン・ウィットマーシュが怒りの弁をふるった。ウィットマーシュは、他のチームがフェラーリと同じようなことをし始めて、「9チームの結束」が崩れ始めることをとりわけ懸念している。
フェラーリは今週、数シーズン前に合意した取り決めを無視するようにテストスケジュールを進めてきた。GPウィークは50km以内のシェイクダウンを除き、テストを禁ずるという同意事項に反し、ルカ・バドエルがフィオラノとムジェッロでニューマシンを走らせながら、ルーベンス・バリチェロとミハエル・シューマッハーがマレーシアで金曜日の公式練習に参加した。
ウィットマーシュはクラッシュネットのインタビューにこたえて次のように述べた。「フェラーリの行為は残念なことだ。ここ数年、各チームと自動車メーカーは、コスト抑制のために多大な努力を払ってきた。コスト抑制の手段としては色々と考えられるけれど、もっとも効果的なのはテストを制限することだと思う。私たちは鈴鹿でテスト制限に合意し、それ以来、この合意を遵守してきた」
「私たちは今年に入って、合意事項の遵守を巡り話し合った。しかし、話し合いの最中もフェラーリは、主要なライバルチームより優位に立ちたいという考えしかなかった。彼らが皆からのひんしゅくを買ったのも驚くことではない。他の9チームはテスト制限に同意している。フェラーリは立場を異にするばかりか、鈴鹿合意を完全に無視する行動に出ている。今後、他の9チームがフェラーリの態度について検討せざるを得なくなるのも当然だ」
「1週間前、9チームがフェラーリの姿勢について話し合った。その時点で、フェラーリに自らの立場を考えて、テスト制限に合意しないことがF1にとって利益となるのかどうか考えてみてほしいという要望を公式に提出することにした。しかし、フェラーリはいまや、他のチームには不可能なスケジュールに従ってニューマシンの導入を加速させており、アドバンテージをますます広げている」
ウィットマーシュは、他のチームがフェラーリと同じようなことをし始めて、「9チームの結束」が崩れ始めることをとりわけ懸念している。
「コスト削減を主張し、その重要性について説いていたにもかかわらず、いざチームにとって不利益になるとわかれば、前言を覆す行動に走る者が出たしたらマズイことになる。そうなったら、ビッグチームが「そんなことなら、我々も抜ける」と言って、合意事項が解消されることは明らかだ。私たちにとって最大の課題はテスト予算なのだ」