ジョーダン・チームは、F1における将来に関し楽観的な様子で、ブラジルを後にした。同チームは、現在エンジン契約を結んでいるフォードに代わり、来季はトヨタからエンジン供給を受けるのではないかと噂されている。
2003年のブラジルGPでは、予想外の優勝を果たしたジョーダン。しかし、フォードがF1からの撤退を表明したため、両者の関係が継続する見込みは薄くなってしまった。フォードはジャガー・チームの運営をやめ、エンジン・ビルダーであるコスワースの売却を決定したのである。そのため、悲観的な考え方をする人々は、ジョーダンと、同じく極小チームであるミナルディの来年以降の活動継続は絶望的であると考えていた。しかし、チーム代表のエディ・ジョーダンは、ブラジルGPで同チームは来年もF1に参戦できるだろうと考えており、将来に向け一層の自信を抱いてブラジルを離れる、と語ったとされている。
こういったジョーダンの自信は、トヨタ側がこの件に関して肯定的とも取れる発言をしたことからもきている。トヨタはその日遅くに、来季から1基のエンジンを2戦に渡って使用しなくてはならないという新ルールが発足するため、カスタマー・チームにエンジンを供給するチャンスが広がったとコメントしたのだ。一方、ジョーダンのコマーシャル・ディレクターであるイアン・フィリップスは、チーム間の話し合いが進められていることを明かした。
フィリップスは、ロイターに対して次のように語った。「良い所まで行っているが、まだ片付けなくてはならない事務手続きが多くてね。全てが確定するまで、あと2、3週間は必要だろう。しかし我々は、まもなく環境が整うのだという希望に満ちている」
2005年へのエントリーの期限は、11月15日である。ジョーダンは、その時までにエンジン契約を済ませなくてはならないだろう。だが、その契約を確実するためには、チームが譲歩しなくてはならない点があるようだ。それは、トヨタのセカンド・テストドライバー、ライアン・ブリスコーを起用することである。23歳のブリスコーは2005年までトヨタとの契約下にあるが、ヤルノ・トゥルーリ、ラルフ・シューマッハーがレギュラー・ドライバーの座を、また、オリビエ・パニスとリカルド・ゾンタがテスト・ドライバーの座を確保しており、彼がトヨタのレギュラー・メンバーになれそうもない。
ブリスコーは今季、クリスチアーノ・ダ・マッタが早期離脱したことで、最後の6戦で金曜日にトヨタのサードカーを走らせて周囲を印象付けるチャンスを得ていた。オーストラリア出身の彼は、訪れたほとんどのサーキットや最新のトヨタ・マシンに馴染みがなかったにもかかわらず、しっかりと義務を果たしている。来季は、ジョーダンを含むどこかのチームでシートを得るだろう。ジョーダンは、パートナーやスポンサー契約が締結され次第、レースドライバーの発表を行うものとみられているが、おそらく発表は早くても来年年明けとなるだろう。