MotoGPのスター、バレンティーノ・ロッシが来季はF1に進路を見出すという噂は、先週末、急激に現実味を失っていった。当人が「少なくともあと2年」は今戦っているカテゴリーにとどまるつもり、と語ったからだ。
BBC放送でロッシは、注目されることは光栄だがMotoGPに2006年の終わりまでは残ると思うと話し、現F1チャンピオンチームのフェラーリから誘われているという噂を否定した。
「確かなのは、来年もヤマハに残るということと、あともう1年はモーターバイクに乗りたいということだ」と、同局の番組『サンデーグランドスタンド』で語ったロッシ。「先のことは分からないけど、もう2年経ってから考えたい」
もしF1の出場チームが減り、ビッグチームが3台の車を走らせなければならなくなった場合に、ロッシは、シューマッハーとルーベンス・バリチェロに次ぐフェラーリの第3ドライバーになるのではと考えられていた。すでにフェラーリでテストを行っており、しかも結果も上々だったためだ。ロッシは4月にチームのテストトラックであるフィオラノで周回を重ね、シューマッハーの3秒落ちのタイムをマークしている。
バリチェロはロッシの走りを見て感心したそうだが、F1に移るつもりで走っていたのかどうかは定かではなかったという。
「(あのテストが)宣伝用だったのかは分からない」と9月の中国GPで認めたバリチェロ。「だが彼がレースに出るためには、12月の1カ月ばかりのテストでは無理だ。この車でそれなりのタイムを出そうと思うなら、もっと時間が必要だよ」
「バレンティーノのドライビングは僕も見ていたんだが、とてもうまかったよ。彼と走ることには何の問題もないだろう。僕はバイクに乗る彼の大ファンでね、もし彼がバイクと同じように車を乗りこなせたら、僕らは全員お手上げだよ!」