ブラジルGP2日目の予選は、100分の1秒を争う超接近戦となり、ポールポジションから11番グリッドまでが1秒以内の僅差。そんな中、Lucky Strike B・A・R Hondaのジェンソン・バトンと佐藤琢磨は5、6番グリッドを獲得。いずれも好ポジションの3列目グリッドから、明日の決勝レースをスタートすることになった。
ブラジルGP2日目のインテルラゴス上空は、薄い雲が広がっている。それでも時折り日が射して、雨が降りそうな気配はない。通常より1時間早い、午前8時から始まったフリー走行は、コース内に何匹もの野犬が入り込んだために、25分間の赤旗中断となった。結局セッションは僅か20分余りに短縮されてしまったが、B・A・R Hondaのバトン、佐藤が1、2番手のタイムをマーク。佐藤はロングランでも安定したタイムを披露して、レースでの好パフォーマンスを期待させた。
9時15分から始まった最後のフリー走行セッションでは、上位陣が1分10秒台に次々に入って行く。しかしセッション終了の4分前に、第6コーナーでM・シューマッハ(フェラーリ)がスピン。そのままタイヤバリヤに激突して、マシンを大破させてしまう。セッションはそのまま赤旗中止。バトン5番手、佐藤は8番手タイムで、午後の予選に臨むこととなった。
1回目予選の始まる正午には、気温は28C、路面温度は44Cまで上がった。このセッションで、ラップタイムはついに1分9秒台に突入。しかも上位13人のタイム差が1秒に満たないという、非常に接近したものとなった。トップは、地元ブラジルのR・バリチェロ(フェラーリ)。南米出身の3名のドライバーがタイムシートの上位を占めるなか、佐藤が6番手、バトンはタイムが伸びず、11番手だった。
そして午後1時からの2回目予選。10番目に出走したバトンは、快調なペースで区間タイムを更新して行く。午前中にM・シューマッハがクラッシュした同じコーナーで、一瞬挙動を乱したものの、ここでも区間最速。1分11秒092のタイムで、暫定トップタイムを獲得した。そして、その5人あとに佐藤がコースイン。最初の区間で若干タイムロスしたものの、続く低速区間で最速タイムを記録。しかしバトンのタイムを上回ることはできず、チームメイトに100分の28秒遅れの1分11秒120のタイムで、暫定3番手につけた。
最終的にバトンは5番手、佐藤は6番手のグリッドを獲得。いずれも好ポジションの3列目グリッドから、明日の決勝レースをスタートすることになった。ポールポジションは、昨年に引き続き地元ファンの大歓声を受けた、R・バリチェロ(フェラーリ)が獲得した。
中本修平 エンジニアリング・ディレクター Honda Racing Development
「ドライバー2人とも、フロントローに近い好グリッド獲得という、良い仕事をしてくれました。更なる表彰台獲得に向けて、明日はベストを尽くします。ここはシーズン最後の締めくくりのレースでもありますし、強いレース運びで、その勢いをオフシーズンに繋げて行きたいと思います」