昨シーズン、日本GPを前にしてBARホンダを離脱したジャック・ビルヌーブが、来シーズン同チームの空きシートに就くことになるかもしれない。
昨シーズン終盤、2004年はビルヌーブに代わって佐藤琢磨を採用するというBARの決定に不満を抱いた彼は、鈴鹿での最終レースを前にチームを離れ、今シーズンはサーキットで彼の姿を見ることはなかった。しかし、ジェンソン・バトンがウイリアムズへの移籍の決断を下したことが明らかになり、バトンの周囲が騒がしくなってくると、ビルヌーブはF1のコクピットへ復帰したいとの意思を徐々に声高に表してきていた。
金曜日にベルギーで行われたFIA公式記者会見の場で、BARのテクニカルディレクター、ジェフ・ウィリスは、ビルヌーブがチームと接触していたこと、昨年彼が不服を抱いてチームを離脱した件に関して考えの相違を解決しようと試みたことを明らかにした。しかしながら契約承認委員会の裁定がまだ出ておらずバトンの状況が宙に浮いている以上、それ以上のコメントはできないと語っている。
「ジャックが私やデイビッド・リチャーズ、その他のBATの人間に連絡をとってきたのではという皆さんの推測は間違っていない」とウィリスは認めている。「彼はチームへの復帰にかなり熱心なのは確かだが、それ以上のコメントはできない」
「我々の来年のラインナップについては外部の人間が討論すべき問題ではなく、我々自身で解決する問題であり、いずれそれは明らかになるだろう」
ウィリスはラインナップについて公式に発表してはいないものの、佐藤が来シーズンもBARに残留することは確実視されている。だがバトンについては、契約承認委員会がBARを支持した場合、ウイリアムズへの移籍は不可能となる。その場合、バトンはBARのためにドライブするというモチベーションを失うと思われ、そのシートはビルヌーブかテストドライバーのアンソニー・デイビッドソンに移ることになるかもしれず、バトンは傍観者としてBARとの契約終了を待つしかなくなるだろう。