ベルギーGP初日午後のフリー走行で、Lucky Strike B・A・R Hondaのジェンソン・バトンが2番手タイム。第3ドライバーのアンソニー・デビッドソンが4番手、佐藤琢磨も5番手に付け、3人のドライバー全員が、タイムシートのトップ5に入った。
2002年以来、2年振りのベルギーGP。スパ・フランコルシャンはその間に、有名なバスストップシケインがレイアウト変更された他、コースの半分近くが再舗装を施された。全長は10m以上伸びて6、973mとなったものの、マシンやタイヤの進化にグリップの向上が加わって、ここでも大幅なタイムアップが予想される。
初日の午前中は、曇りがちの天候。前日に降った雨が、セッション開始時にはまだ完全に乾き切っていない状況だった。気温、路面温度はこの時点でともに16℃と、スパならではの低さ。そのせいか、午前中のフリー走行でトップタイムを叩き出したデビッドソンも、昨年のM・シューマッハ(フェラーリ)のポールタイムより、1秒4以上遅い。バトンは11番手、佐藤は13番手のタイムだった。
午後もサーキット上空は雲に覆われ、気温は18℃と依然として低い。しかし、上空には時折り晴れ間も見える。第3ドライバーのデビッドソンが好調を持続して、このセッションでも序盤にトップタイムを出した。開始後15分に、トヨタの第3ドライバー、R・ブリスコのマシンがオールージュ手前のガードレールに激突。マシンは大破して、約8分間の赤旗中断となった。
再開後の30分、まずバトンがデビッドソンのタイムを上回り、直後に佐藤がそれを更にコンマ5秒以上縮めて、トップに躍り出た。トップタイムは佐藤、2番手にバトン、そして4番手にデビッドソンと、B・A・R Hondaの3台が上位を独占した。その後、K・ライコネン(マクラーレン)がベストタイムを更新したものの、バトン、デビッドソン、佐藤の順で、B・A・R Hondaトリオが2、3、4番手に付ける。最終的にM・シューマッハ(フェラーリ)が3番手に割って入ったが、B・A・R Hondaの3人のドライバー全員が、タイムシートのトップ5番以内に入る成績で初日を終えた。
●ジェンソン・バトン
「ここまでは良い感じだね。僕ら3人のドライバーがトップ5に入ったことで、週末に向けて良いスタートが切れたと思う。朝のセッションはグリップが足りなかったんだけど、セットアップを変え、かなり良い方向性が見えたんだ。オールージュではミスもしたけれど、このサーキットはとても楽しいよ。明らかに最後のシケインは、以前からはちょっと変わったと思う。簡単にブレーキポイントのミスを誘うから、今でもとてもエキサイテイングだよ。だからそこで少しタイムをロスすることがあるんだ。マシンの調子はとても良いよ。フェラーリは、いつも通りとても速いように思えるけど、僕らはポイントを争っているルノーのことを考えていかないとね」
●アンソニー・デビッドソン
「ここはFormula FordやF3時代に良く走っていたし、それに2年前にミナルディでレースもしているから、スパに戻って来れて嬉しいよ。今日の午前中のセッションは、オイル漏れがあって早目に切り上げたんだけど、タイムには満足だよ。でも、午前中予定していたタイヤ比較を完了できず、午後のセッションまでかかってしまった。最初、路面は少し湿っていて滑りやすかったけれど、短時間で路面は良くなったよ。バスストップシケインが改修されたけど、違いはあまり感じなかった。あそこはコースの中で一番難しいところだったけれど、それは今も同じだよ。一つも変わっていないのは、ここの天候だね!今日は雨は降らなかったけれど、この週末の間には、きっと雨が降ることがあると思うよ」
●佐藤琢磨
「またスパに戻って来れて、その上3台揃ってトップ5で初日を終えることができて最高です。午前中のセッションでタイムを出せたように、マシンの速さには満足していますが、レースのキーとなるロングランのタイムを上げるため、明日はセットアップしなければいけません。今日は幸いにもドライ路面で走れましたし、走行中は何の問題もありませんでしたから、良い感じです。明日も引き続き頑張りたいと思います」
●中本修平 エンジニアリング・ディレクター Honda Racing Development
「金曜日の走行としては、上手くいったと思います。我々の3人のドライバーは、2回のセッション共に良いタイムを出していましたし、ここでもマシンの競争力は高いと思います。明日の天気がどうなるか、気になりますね」