今週末は、F1伝統の舞台のひとつ、ベルギーのアルデンヌの森にあるスパ・フランコルシャンでベルギーGPが開催される。スパは1950年の第1回F1世界選手権を構成した6つのサーキットの1つで、1シーズンの中断をへて今年からカレンダーに復帰する。
ベルギーGPは今年で50回目を迎え、これまでの49回は、スパで37回、ゾルダーで10回、ニベルで2回開催されている。ミシュランタイヤでベルギーGPに勝ったのは、1979年ジョディ・シェクター(フェラーリ)、1981年カルロス・ロイテマン(ウイリアムズ)、1982年ジョン・ワトソン(マクラーレン)、1983年アラン・プロスト(ルノー)という錚々たる顔ぶれ。スパで勝ったのはプロストだけだが、そのときも1970年から続くやや長い休止の後に、このサーキットがF1カレンダーに復帰した初戦であった。今週末、ミシュランと6つのパートナーチームは、全力でその歴史の再現を目指していく。
デビッド・クルサード(ウェスト・マクラーレン・メルセデス)
「スパ・フランコルシャンの復活はとてもうれしい。大好きなコースだし、1999年のベルギーGPで優勝したいい思い出もある。前回レースしたときから、コース形状がやや変わり、一部が再舗装されているけれども、タイヤ摩耗への大きな影響はないと思う。全体としては流れるような高速コースで、前後のタイヤが受け持つ負担はほぼ均等だ。ここで競争力を持つには、とにかくドライバーが毎周すべてのコーナーを攻めなくてはいけないんだ」
「他のサーキットと同じように、ラバーが乗ってくるとグリップレベルも上がるけど、スパのコンディション変化はそれほど大きくなく、他の開催地に較べると安定している。ただ、突然強い雨が降って路面が洗われ、初期状態に戻ってしまうことはあるね。コースの外側があまり汚れていないのはありがたい。サポートレースで埃や砂利がレーシングライン上に入りこんでくる心配が、それだけ減るんだ」
ピエール・デュパスキエ(ミシュラン・モータースポーツディレクター)
「スパは、世界でも指折りの高速で見応えのあるサーキットで、ドライバーにも観客にもとても人気がある。スパは、前回F1のレースが行われた2002年から若干コースが改修されているが、タイヤのパフォーマンスにどのような影響があるかは、おおよそ把握出来ている。タイヤの摩耗という点ではそれほど厳しくない」
パスカル・バスロン(ミシュラン・F1プログラムマネージャー)
「スパで再びレースできることを誰もが楽しみにしている。前回ここをF1マシンが走ってから丸2シーズンが経過し、パフォーマンスレベルはどれだけ上がっているのかが興味深い。オールージュはかつてドライバーの度胸試しの場所と呼ばれたが、今週末はおそらく誰もが全開で抜けていくだろう」
「タイヤ選択については、最近ここ数戦のサーキットと比較した場合のスパの位置づけはわかっているので、それを基準にして、ラップタイムがどの程度短縮されるかを予測する。新しいアスファルトがどの程度のグリップを発生させるか、どういう種類の素材が使われているかというデータは入手しているので、私たちが採るべき方向性は見えている。この推測が正しいかどうか、金曜日になればわかるだろう」