今季苦闘しているデイビッド・クルサードは、友人にしてライバルであるジェンソン・バトンが、不公平なルールの恩恵を受けていると考えている。そのルールのおかげで、BARホンダはマクラーレンやルノーやウイリアムズを出し抜いている、というのだ。
英モータースポーツ・ニュースのインタビューに対して、クルサードはかなりずけずけとものを言った。金曜朝のプラクティスの際に、去年トップ4だったチームに制限が課せられており、自分たちは過去の成功のせいでひどく不利になっているというのだ。
クルサードは、「第3ドライバー」に関するルールの効果を判断するのに絶好の立場にいる。というのも、マクラーレンは、すべてのライバルチームに先がけて、新車MP4−19を去年の11月にサーキット走行したにもかかわらず、いまだに速さも信頼性も見出せずに苦闘しているからだ。マクラーレンチームは、昨年のコンストラクターズ選手権で3位だったため、金曜に1時間ずつ2回行われるセッションで、2人のドライバー(クルサードとキミ・ライコネン)しか走らせることができない。一方、BARやトヨタ、ミナルディ、ジョーダン、ジャガー、ザウバーは、望むならば3台目のマシンを走らせることができるのだ。
BARは、このレギュレーションを存分に利用して、バトンと佐藤琢磨のほかに、アンソニー・デイビッドソンを走らせ、この3台目のマシンから恩恵を受けている。デイビッドソンは、エンジントラブルの危険を恐れずに、たくさんのテストをこなすことができるからだ。マクラーレンは、ライバルたちと同様、エンジンチェンジを行えばグリッドを10降格されるという事実に縛られている。
BARの躍進を見て、クルサードは、このルールを常に見直し、現在の下位6チームが金曜に3台目のマシンを走らせられるようにするべきだ、と主張している。そうすればマクラーレンは、クルサードとライコネンと共に、アレックス・ブルツかペドロ・デ・ラ・ロサを走らせることができるようになるし、フェラーリ、BAR、ルノー、ウイリアムズの4チームが今後も2台だけの走行ということになる。
クルサードはこう語った。「あのルールは、1年を通じて固定されるべきではないよ。BARは上から2番目か3番目のチームとしての地位をすでに確立しているのに、1年中3台目のマシンを走らせられるんだ。僕らは金曜にはあまり走れない。それなのに、本当にコンペティティブな連中が僕らの3倍や4倍も走るのを、指をくわえて見ていなきゃならないんだ」