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【F1チーム別技術レビュー:フェラーリSF-23】コンセプト維持で行き詰まり。空力の不安定さと戦う一年に
2024年1月31日
2023年F1各マシンのシーズン通しての変化を、F1i.comの技術分野を担当するニコラス・カルペンティエルがまとめた。今回は、フェラーリSF-23が抱えた問題について解説する。
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メルセデスと同様、フェラーリも2022年マシンと同じコンセプトのマシンで2023年シーズンに臨んだ。設計に際し開発エンジニアたちが、前年型F1-75 の欠点の修正に重点を置いたのは言うまでもない。具体的には予選では速かったがトップスピードに欠け、レースではタイヤを過度に劣化させるという欠点だった。
しかしレッドブルと互角に戦うには、全く十分ではなかった。前年型のコンセプトの継続ではパフォーマンスの限界に達していると、開幕前テストでの最初の周回から明らかになってしまったのだ。
「確かに2023年は、かなりのレベルで性能を向上させていた。しかし対レッドブルという観点では、開発の方向性は誤っていたと言わざるを得ない」と、車体開発担当テクニカルディレクターのエンリコ・カルディーレは分析する。
「空力の領域で、抜本的な改良が必要なのは明らかだった。そこでまずスペインGPでフロアとボディワークを変更し、オーストリアGPでも大幅なアップデートを投入した」
「しかし残念ながら、シャシーでできることの限界に達してしまった。側面衝撃を吸収する下部バーの位置と特定の電子部品の取り付けが構造上の制約となり、希望どおりの変更ができなかったのだ」
「理想をいえば、完全に新しいモノコック、ギヤボックスに作り変える必要があった。しかしそんなことは、シーズン中には不可能だ」
とはいえSF-23は、決して悪い車ではなかった。1周では非常に速く(ポールポジションは7回)、優れた最高速度、非常に安定したブレーキング、タイトターンや限界領域での優れたパフォーマンスなど、真の資質を備えていた。しかし空力特性は特にレース中に一貫性がなく、タイヤがすぐに劣化する欠点は最後まで改善されなかった。
このタイヤ劣化の傾向、そして風に対する極度の敏感さの原因は、ひとえにSF-23の空力的不安定性から来ていた。
グランドエフェクトを備えた現在のF1マシンは、車高変化に極めて敏感だ。車高が高すぎると十分なダウンフォースが発生されず、パフォーマンスが低下する。逆に車高が低すぎると、ポーパシングやリバウンドに悩まされる。この問題の対処には、空力とサスペンションの相互作用が非常に重要になっている。
そして上述した大幅な車体改良への制約から、フェラーリがこの問題に対処するには長い時間がかかった。
9月末の日本GPでの大幅アップデートの前、マラネロのエンジニアたちはリヤの不安定さを解消しようと、人為的にわずかなアンダーステアを誘発することを決めていた。これはシャルル・ルクレールよりも、カルロス・サインツのドライビングスタイルに適していた。
シンガポールでのレッドブル以外の唯一の勝利をはじめ、日本GP前数のレースでのサインツの優位は、このセッティング変更によるところが大きかった。
しかしリヤアクスルのナーバスな挙動軽減のために日本GPで新しいフロアが導入されると、形勢は逆転した。
「僕の2023年シーズンは、日本GP前と日本GP後に分かれていたと言っていい」と、ルクレールは言う。「鈴鹿以降、運転はかなり楽になった。さまざまな状況での車の安定性が向上し、僕のドライビングスタイルにより適したものになったんだ」
「僕はオーバーステアで、しっかりしたフロントエンドを持っている車が好きなのに、シーズン前半は全く違っていた」
フェラーリがシーズン終盤にコンストラクターズ選手権2位のメルセデスに肉薄できたのは、メルセデスがオースティン以来W14の開発を停止していたこと以上に、この最後のアップデートの効果が大きかった。とはいえフェラーリは2022年の選手権2位の座を維持できないまま、シーズンを終えた。2022年マシンのコンセプトにこだわり過ぎたこと、そしてシーズン中に十分な改善ができないことが、彼らの足を引っ張り続けた。
そんな残念な一年を経て、「2024年のマシンはまったく異なるものになる」と、カルディーレは断言した。はたしてマラネロは、王者レッドブルの牙城を崩せるだろうか。
この記事は f1i.com 提供の情報をもとに作成しています
(翻訳・まとめ 柴田久仁夫)
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1位 | マックス・フェルスタッペン | 219 |
2位 | ランド・ノリス | 150 |
3位 | シャルル・ルクレール | 148 |
4位 | カルロス・サインツ | 116 |
5位 | セルジオ・ペレス | 111 |
6位 | オスカー・ピアストリ | 87 |
7位 | ジョージ・ラッセル | 81 |
8位 | ルイス・ハミルトン | 70 |
9位 | フェルナンド・アロンソ | 41 |
10位 | 角田裕毅 | 19 |
1位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 330 |
2位 | スクーデリア・フェラーリ | 270 |
3位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 237 |
4位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 151 |
5位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 58 |
6位 | ビザ・キャッシュアップRB F1チーム | 28 |
7位 | BWTアルピーヌF1チーム | 8 |
8位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 7 |
9位 | ウイリアムズ・レーシング | 2 |
10位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 0 |