アメリカGPで5位入賞を果たしたニック・ハイドフェルドだが、その活躍も、ザウバーからの解雇を止めるには十分ではなかったらしい。ザウバーは、来季ハイドフェルドが同チームでドライブしないことを正式に認めたようだ。
インディアナポリスでハイドフェルドは、ベテランのチームメイトハインツ−ハラルド・フレンツェンと共に、合計10ポイントをチームにもたらした。その結果、チームは激しい戦いが繰り広げられている、コンストラクターズ5位の争いに参入することになったのだが、ハイドフェルドは来季、元チームメイトのフェリペ・マッサに取って代わられることがほぼ確実になった。
ドイツの通信社SIDが報じたところによると、チームボスのペーター・ザウバーが、アメリカGPの後、ハイドフェルドの放出を認め、マッサとの契約については、確定する期日には触れなかったものの、すでに既定の事実としたという。
来季に向けて、契約済みのジャンカルロ・フィジケラのチームメイトとして、マッサの名前が発表されるのが遅れていることについては、いろいろ言われているが、近いうちに違った結末が出るかもしれない。フィジケラのジョーダンからの移籍は、ハンガリーGPのときに契約が結ばれたが、マッサのザウバー復帰の決定が長引いているらしいことから、次のような憶測が生じている。すなわち、ミハエル・シューマッハーが6度目のタイトルを手に引退を決めた場合、その代わりになるドライバーとして、フェラーリがマッサを手元に引き戻そうとしているのではないか、というのだ。
ハイドフェルドは最近、自分がドライバー市場に出るかもしれないとほのめかしており、ジャガー入りの可能性が囁かれている。ジャガーはドイツでのブランドイメージを高めるために、ドイツ人ドライバーを求めているとされるからだ。しかし、同チームはまた、財政的な貢献をしてくれるドライバーを求めているとも言われており、そうなるとハイドフェルドは除外されてしまうかもしれない。
ハイドフェルドはまた、最近になって、メルセデスとの長年の関係を絶たれるという打撃も受けている。この関係を通じて、彼はいつかマクラーレンに乗るという望みを抱いてきた。しかし昨年、かつてのザウバーでの同僚、キミ・ライコネンがマクラーレンに移籍してしまい、ハイドフェルドは苦い思いを味わうことになった。マクラーレンは今では、ライコネンのパートナーとして、ファン−パブロ・モントーヤを求めていると見られており、ハイドフェルドに残された選択肢は、次々と失われてきている。