ホンダがパワーユニットを供給しているレッドブル、トロロッソの活躍を甘口&辛口のふたつの視点からそれぞれ評価する連載コラム。レースごとに、週末のレッドブル、トロロッソのコース内外の活躍を批評します。2019年F1第4戦アゼルバイジャンGPを甘口の視点でジャッジ。
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F1第4戦アゼルバイジャンGPでホンダはスペック2となるICE(エンジン)をレッドブルとトロロッソの2チーム4台に一斉投入した。
新しいスペックは以前の仕様よりも性能が向上しているわけだが、テストベンチで出ていた性能が必ずしも実走行でそのまま反映されるわけではない。
昨年9月ロシアGPではスペック3が投入されたが、オシレーション(共振)の問題が出たために、土曜日以降は旧スペックに戻して戦った。また、スペック2を投入した昨年6月のカナダGPでは予期せぬトラブルが発生してパワーユニット(PU/エンジン)交換を余儀なくされた。
しかし、今回のアゼルバイジャンGPでは週末、パワーユニットに目立ったトラブルは起きなかった。それはホンダのスタッフが新スペック投入に向けて、さまざまな準備を行ってきたからにほかならない。
「昨年までの新スペック投入時の準備や投入したグランプリでの実走行時のキャリブレーション(電子制御の調整)や最適化の経験を踏まえて、今年は新しいスペックを入れる際にどこをどのように確認しておくべきかというノウハウとその精度が向上したからだと思います」(田辺豊治F1テクニカルディレクター)
ホンダだけではなく、レッドブルとトロロッソの協力も忘れてはならない。
「レッドブルとトロロッソの2チームだけでなく、レッドブル・テクノロジーとも一緒に仕事していて、彼らにはイギリス・ミルトンキーンズにあるHRD MKだけでなく、HRD Sakura(栃木県の本田技術研究所)にも来てもらって、ギヤボックスを結合させるなどのさまざまなテストをしていることが、現在の状況につながったのだと思います」
「ただ単に長い時間、ベンチでテストしていたというわけではなく、こういうスペックを入れるときは、何を確認しておくべきかということを去年までの経験から学び、今回は必要なテスト項目を事前に設けて、しっかりと準備ができたと思います」(田辺TD)