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ルノー、新パワーユニットプランの効果に疑問。「F1が抱える問題の解決策にはならない」

2017年11月6日

 ルノーF1のマネジングディレクター、シリル・アビテブールは、FIAとF1から提示された2021年以降の新たなパワーユニットプランにはさまざまな問題点があるとして、全面的に受け入れることはできないと示唆した。


 10月31日、FIAとF1はF1マニュファクチャラーに対し、2021年以降の新たなパワーユニットに関するロードマップおよび主要な機構について示すとともに、要旨を公表した。


 新規則においては、コストを削減すること、市販車との関連性を維持するためハイブリッド技術を残すこと、マシンのサウンドを改善することがターゲットとされている。今回の提案では、1.6リッターV6ターボハイブリッドエンジンを維持しつつ、サウンドを向上させるために最高回転数を引き上げ、MGU-Hは撤廃、MGU-Kが強化されることなどが明らかにされた。


 これを受け、メルセデスのトト・ウォルフ、フェラーリのマウリツィオ・アリバベーネは、新規則案はコスト削減をもたらすものではないと主張した。フェラーリ会長セルジオ・マルキオンネは、同社にとって合意できない点があり、将来の方向性について納得できない場合は、F1から撤退することもあり得ると発言した。


 アビテブールは、今回の提案はこれから協議するためのベースにすぎないとして、現在の内容ではコスト削減にはつながらず、従って、さまざまな問題の解決策にはならないと示唆している。


「新しいエンジンには膨大な量の開発作業と莫大な経済的コミットメントを行わなければならないが、2020年以降のF1がどのようなものになるのか、より広範な状況を理解することなしに、これに関する提案を受けることは拒む」とアビテブールが述べたとBBCが伝えた。


「つまり、エンジンレギュレーションだけでなくシャシーレギュレーションやF1の商業面についても知りたいということだ」


 アビテブールは「コスト、ノイズ、パワーの面で設定されたターゲット、パフォーマンス差をなくすための取り組みを継続すべきだという事実は認める」ものの、「そういったことは現在のエンジン構造でも可能だったことだ」と主張している。


 また、このプランのままでは、FIAとF1が望む新たなインディペンデントメーカーの参入を実現するのは難しいとも示唆した。


「独立系のエンジンマニュファクチャラーに対して、これがどういうモデルを提示することになるのか、私には分からない」とアビテブール。


「自動車メーカーにとってはコスト低下になるのかもしれないが、それでも新しいエンジンにおけるビジネスプランを機能させるため、研究開発に必要な費用は相当なものになるだろう」


「それが我々にとって問題になる。またあらためて資金が必要になる。新しく参入するメーカーが資金を必要としているようにだ」


「イルモアやコスワースが、自動車会社から支援を受けることなく独立して活動できるとは、私は思わない」


 BBCによると、会合に出席した他の自動車メーカーも、この意見に同意したということだ。


 MGU-Hの廃止についても、アビテブールは慎重な考えを示した。


「MGU-Hを廃止するなら、その時点で新しいエンジンになる。エンジン内のエネルギー管理の仕方、ターボの機能の仕方といったものが根本的に変わる。ターボのデザインが一新されるのだ」


 アビテブールは、FIAがMGU-H廃止の可能性に関し技術的な検討を行う上で、ルノーは協力してきたものの、その動きを支持しているわけではないと述べた。


「だからといって我々がそれを支持しているわけではない。MGU-Hは、1周を周回するうえで、またレース全体を走行するうえで、パワーを維持するための素晴らしいデバイスであると、我々は確信している。したがって、その点において、意見に食い違いがあるということになるかもしれない」



(AUTOSPORTweb)




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