日曜日のカタルニア・サーキットは朝から青空が広がり、午前10時35分にスタートしたGP2は気温20℃、路面温度21℃というコンディションの中で行われた。ここはセーフティカーの出る確率は少ないが、GP2第2レースではスタート直後の混乱で、初めてバーチャルセーフティカーが導入された。バーチャルセーフティカーは昨年の日本GPで起きたジュール・ビアンキの事故を受けて新しく導入されたシステムで、コース上を実際にセーフティカーが走ることなく、全車フルコースコーション状態となるものだ。
観客席にはマクラーレン・ホンダのシャツを着たアロンソ・ファンの姿が目立つが、まだスタンドを埋め尽くすほどではない。主催者によれば、「当日券を求めて、これから観客は増えるはず」とのこと。ちなみに土曜日の観客数は約6万人、決勝日は約8万人の来場が予想されている。
スペインGPはポール・トゥ・ウィンの確率が高いことから、今シーズン初優勝を狙うロズベルグは「レースが待ちきれない」と語っている。一方で、予選からオーバーステアに悩んでいるハミルトンは「スタートで抜けなければ、タイヤ戦略で優勝を狙うしかない」と暗い表情だ。
ハミルトン以上に暗かったのは、予選でタイヤウォーマーのトラブルから新品のミディアムタイヤを1セットを無駄にしたライコネン。決勝の理想的なタイヤ戦略は中古ミディアム、新品ミディアム、新品ハードなので、ライコネンは7番手スタートというハンデ以上に、タイヤで苦しむことになるかもしれない。
地元スペインGPで自己最高の5位からスタートするカルロス・サインツJr.のもとには父親のカルロス・サインツだけでなく、妹のアニータさんも応援に駆けつけている。本人も明言しているように、最高のレースを期待したい。
(尾張正博)